【指導参考事項】
1. 課題の分類  虫害・畑作
2. 研究課題名  てん菜のヨトウガ被害程度調査基準
3. 期 間  (昭和37〜48年)
4. 担 当  中央農試 病虫部(発生予察科・害虫科)
        北農試 畑作部畑虫害研究室
        北見農試 病虫予察科
        十勝農試 病虫予察科
5. 予算区分
6. 協力分担

7. 目 的
 ヨトウガのよる被害の実態を正しく把握するため普遍性のある調査基準を設定して、今後の調査研究の便をはかる。

8. 試験研究方法
 従来用いられていた基準(十勝農試、昭37・北見農試、昭41、43、44、45・中央農試、昭44・北農試畑作部、昭45)について個人差が最も少ないと考えられる簡明な基準を設定するとともに、この基準と被害葉率との関係についても検討した。
9. 結果の概要・要約
 (1) 被害程度階級値を0〜4の階級に分けた。
 (2) この基準は被害葉率と極めて高い正の相関がある。
 (3) この基準を用いて調査を行うと、広い地域における被害状況を短時間にかつ高い精度で把握できる。

10. 主要成果の具体的数字
 (1) 被害程度階級値
         0……無被害
        1……数枚の葉に数個の小さい食痕がみられる。
        2……半数内外の葉に食痕があり、大きい食痕点在する。
        3……ほとんどの葉に大きい食痕がみられる。
        4……ほとんどの葉が網目状に食害されている。

 (2) 被害程度指数の算出

∑(階級値×当該株数) ×100
──────────
調査株数×4

発生程度 被害程度指数
0
1〜25
26〜50
51〜75
76以上
  (注) 小数は四捨五入

 (3) 被害程度模式図 (0は省略)


 (4) 被害程度指数と被害葉率との相関関係(30株30点計900株調査…畑虫研)
    第1世代(7月22日)  γ=0.95 (Y=0.9393X+2.37751)
    第2世代(10月12日) γ=0.97 (Y=0.9702X+2.5570)

11. 今後の問題点
 この基準と収量、糖分との関係を明らかにし被害量の査定を行う。

12. 成果の取扱い(普及指導上の注意)
 (1) 調査に先立ち模式図により充分に実習し、個人差を少なくするように努める。
 (2) 多発時や少発時にも誤りなく判断できるよう注意する。