【指導参考事項】
水稲直播におけるカルパ−粉剤の効果確認試験
      空知南西部地区農業改良普及所(長沼)
           名寄地区農業改良普及所(風連)
               北海道農務部農業改良課
(昭和49年)

・ 目 的
 カルパ−の種子粉衣が直播稲の発芽、苗立に対する効果を確認する。

・ 試験方法
代かき直後カルパ−処理 処理操作    
代かき 6時間後カルパ−処理 種籾浸漬→催芽→ カルパ−粉衣 →播種
代かき24時間後カルパ−処理 キヤプタン粉衣
慣行区しろかき24時間後    

・ 試験成果の概要
 Ⅰ 長沼試験地
  1. 発芽状況は無処理に対して播種後12日目でしろかき直後播種13%、しろかき6時間後で5.5%、しろかき24時間後3.0%カルパ−を粉衣したものが苗立歩合を高めている。
  2. 発芽時において「カモ」の被害を受け、試験区は比較的その被害の少ないところで調査した。
  3. 生育期における処理間の差は認められなかった。
 Ⅱ 名寄試験地
  1. 発芽苗立におけるカルパの効果は、代かき後6時間後カルパ−処理区と24時間後の区がやや苗立ちが良好であった。
  2. 発芽時において「カモ」の被害を受け、試験区はその被害の少ないところで調査を行った。
  3. 生育期における処理間の差は認められなかった。

主要成果の具体的デ−タ
 1. 発芽並に苗立ち調査
      項 目 /
      区 別
試験
地別
播 種 後 (%)
9日目 12日目 15日目 18〜22日
代かき直後カルパ−処理 長沼 19.8 33.0 33.5 35.0
風連 69.3 79.6 77.0 74.2
代かき 6時間後カルパ−処理 長沼 14.8 28.5 31.8 32.0
風連 76.8 86.2 82.3 80.3
代かき24時間後カルパ−処理 長沼 20.3 26.0 29.8 30.0
風連 83.1 86.5 87.4 82.9
慣行区     しろかき24時間 長沼 13.5 23.0 26.8 29.6
風連 81.3 80.2 80.5 79.2
  名寄18日目・風連22日  調査1ヶ所2株2ヶ所の平均

 2. 生育調査 (長沼(イシカリ)風連(きよかぜ) )
   項 目 /
   区 別
6.28−7.1 幼穂
形成期
(月)
出穂期
(月日)
成熟期 成熟期
(月日)
草丈
(cm)
茎数
(本)
稈長
(cm)
穂長
(cm)
穂数
(本)
代かき直後 22.1 16.0 8.14 62.4 14.9 21.1
25.0 10.1 7.11  8. 7 76.0 16.4 23.8 10.2
代かき 6時間後 22.8 14.0 8.14 63.4 14.9 22.0
23.7 9. 1 7.12  8. 8 72.9 17.1 23.2 10.2
代かき24時間後 25.6 18.3 8.14 65.7 15.5 22.6
25.2 8. 1 7.12  8. 8 77.7 16.8 25.5 10.2
慣 行 区 22.1 14.7 8.14 62.2 14.7 21.0
  注) 長沼7月1日・風連は6月28日の生育調査である

 3. 収量調差
項 目/
区 別


10aあたり (K:g) 収量比 1000
粒重
(g)
籾スリ
歩合
(%)
総重 稈重 籾重 精玄米重
代かき直後 1.140 458 586 476 98.2 23.6 83.5
1.329 490 697 520 21.6 79.4
代かき 6時間後 1.230 465 680 549 114 23.3 83.5
1.292 480 684 517 21.5 79.3
代かき24時間後 1.215 480 633 515 106 23.2 84.0
1.272 480 700 540 21.6 78.5
慣 行 区 1.140 465 606 485 100 23.0 83.8

・ 普及指導上の注意事項
 タコ足使用による場合はカルパ−がハネ上つた水によってタコ足がつまる場合があるので注意すること。