【指導参考事項】
1. 課題の分類  トラクタ性能・造成
2. 研究課題名  泥炭草地における機械化作業
3. 期 間  (昭和48年〜49年)
4. 担 当  北海道農業試験場農業物理部機械化第一研究室
5. 予算区分  委託
6. 協力分担  なし

7. 目 的
 泥炭草地の機械作業の特性を解明することを目的とし、昨年度実施したサロベツ泥炭草地における営農用トラクタのけん引性能試験に続いて、今年は被けん引車の特性を追求した。

8. 試験方法
 供試圃場は昨年度と同じサロベツ泥炭地客土草地と無客土草地を使用した。
 供試被けん引車は2tonトレ−ラを使用し、車輪形式をダブルタイヤ、一軸四輪タイヤ、特殊タイヤ(12.5−15)、普通タイヤ(9.0−15)と変え、トレ−ラへの荷重も0〜2.000kg(車軸荷重)に変化させた。測定項目は走行抵抗、走行速度、車輪沈下量、土壌含水比、円錐貫入抵抗値である。

9. 結果の概要・要約
 (1) トレ−ラ車輪沈下量は車軸荷重の増加につれ大きくなるが、その程度はダブルタイヤ、一軸四輪タイヤで小さく、特殊タイヤ、普通タイヤで大きくなる。
 (2) トラクタ常用けん引力とトレ−ラ走行抵抗からみた許容積載量は、客土圃場でダブルタイヤ、一軸四輪タイヤを使用すれば車軸荷重3.500kgまで可能となり、無客土圃場では2.500kgまでとなる。
 (3) トレ−ラの走行抵抗係数は車輪沈下量の増加とともに大きくなる。車輪沈下が5cm以下とほとんど無い場合には、客土圃場での走行抵抗係数0.25、無客土圃場では0.15となる。無客土圃場で小となるのは表面上の流動性が客土圃場より良好なため車輪沈下が同じであれば抵抗小となることになる。
 (4) 泥炭草地におけるトレ−ラタイヤのサイズ、本数等の選定および積載量決定のための指標としてタイヤ係数を定義した。タイヤ係数(φ)は、車輪上荷重(W)タイヤ本数(n)タイヤ外径(R)タイヤ接地部の幅(L)より次式で定める。
 φ=W/πnRL  タイヤ係数と車輪沈下量の関係を図に示すが、タイヤ係数が増すと沈下量が急激に増大している。沈下量5cmとなるタイヤ係数は1.600kg/cm2であるから、安全率を見込んで沈下量5cm以下を許溶沈下量とすると、タイヤ本数、タイヤ形状、積載量は1.600≧W/πnRLを満たすよう決めることができる。



11. 今後の問題点
 泥炭草地の特質の係数化と機械化作業との関連

12. 次年度の計画
 なし