７．目的
　　稚苗のもつ狭い移植期巾を解消するため中苗（箱育苗）の本田生育について検討する。

８．試験研究方法
　１）移植期：3作期　　２）：移植法：機械切断、手植（昭46）人力切断
　　手植（昭47、48）　　３）：使用田植機：クボタSPS3,300　　栽植密度：33×12cm　　４）本田施肥量　N0.8　P₂O₅0.8　K₂O0.5kg/a
　５）供試品種：しおかり

９．結果の概要・要約
　（ｱ）　箱育苗の本田生育および収量は簡易育苗と同様で差はない。しかし稚苗に比べると、茎数および穂数は少ないが、出穂期は稚苗0.5〜2.0日早い。
　（ｲ）　苗の播種量と生育収量は200cc/箱以上の播種量になると、生育と収量は劣り出穂日の変異巾は大きくなるので箱育苗の播種量は200cc/箱が限度と考えられる。
　（ｳ）　移植時期についてみると、稚苗は5月末期の晩植になると出穂遅延は大きいが箱育苗は稚苗に比べて小さい。このことから箱育苗は簡易育苗と同様の移植期巾と考えられる。
　（ｴ）　田植機械適応は簡易育苗と同様に200cc/箱程度の播種量と考えられる。
　（ｵ）　以上のことから、本田の生育収量性は簡易育苗と同様に200cc/箱播種が本田生育と田植機械適応性の面より適当な播種量であり、移植時期は簡易育苗と同様に5月50日〜5月末日までと考えられる。

１０．主要成果の具体的数字

第1表　簡易育苗および稚苗との比較（昭48）

第2表　苗の播種量と生育収量（昭47）

第3表　移植時期と生育収量（昭46、47）

注）箱育苗と普通苗は3本植　　稚苗は5本植