1.課題の分類:
2.研究課題名:台風6号水害による冠水程度差が米質に及ぼした影響
3.期     間:昭和50年
4.予 算 区 分:場特定課題
5.担     当:北海道農試作物第1部作況研究室
6.協 力 分 担:共同・道立中央農試稲作部

7.目的
  昭和50年8月23日の台風6号によう、水稲の冠水被害が米質および収量に与えた影響を明らかにする。

8.試験研究方法
 被害の中心地である空知郡北村豊里に現地調査圃を被害程度別に4筆(甚区、冠水日数4.0日、中区、冠水日数3.0日、軽区、冠水日数1.5日、と無被害区)品種、「ゆうなみ」、稚苗機械移植栽培を選定し、冠水後20日目(出穂期後40日)より、5日毎に収穫期まで3〜5回、1回1筆当り10株め稲を刈取り自然架乾燥後、脱穀籾づりして米質を、完全米、完全青、不完全白、不完全青、死米、着色米の6段階に別けて、その増減を調査した。さらに収穫期には被害程度別に1㎡当りの収量調査を行った。

9.結果の概要・要約
  本年の結果
① 米質
 冠水後20日以降5日毎の米質の推移からみると、無被害区、軽区の米質変化は少なかったが、中区、甚区は冠水後30日(出穂期後50日)まで完生米が増加した。しかし最終的には降霜のため成熟期に達することができず、収穫期における完全米粒数歩合は、無被害区96.2%、軽区84.4%、中区40.1%、甚区11.O%であった。
② 収量および減収率
 被害区の上玄米を縦目篩のみで選別することは無理であった。従って縦目篩の1.7mm以上に含まれる、完全米を手選により選別しさらに、千籾当り完全米重としてみた被害程度別の減収率は冠水日数1日でおよそ20%、2日で40%、3日、60%、4日では90%であった。無被害区の千籾当り完全米重は13.2gであった。

10.主要成果の具体的数字


                      収穫期における粗玄米の粒質

11.今後問題点
 (1)北海道における、既往の水害の試験成績は少ない。

12.次年度の計画(成果の取り扱い)
  昭和51年1月、北海道農業試験会議に(指導参考事項として)提出。
  昭和51年2月、日本農業気象学会北海道支部例会に発表。