サイレージ用とうもろこし品種「Caldera 535」、「P 3575」
「P 3390」、「JX 188」に関する試験成績
                        北農試 草地開発第2部 道南農業試験場
                        十勝農業試験場      根釧農業試験場
(昭和48〜50年)

目 的
 北海道における外国品種の適応性を検討して、普及指導上の資料とする。

来 歴
 Caldera 535   オランダ、Van der Have社育成
 P 3575      アメリカ、Pioneer社育成
 P 3390        〃  、    〃
 JX 188        〃  、Jacques社育成

特性の概要
 Ⅰ.Caldera 535
  1.ヘイゲンワセより1〜2日抽糸期が遅い早生種である。
  2.稈長はヘイゲンワセより大である。
  3.倒伏性、病害抵抗性はヘイゲンワセ並である。
  4.栄養収量はヘイゲンワセより多収である。
 Ⅱ.P 3575、P 3390、JX 188
  1.抽糸期は、P 3575はジャイアンツとほぼ同時期、P 3390は1〜2日晩生、JX 188は2〜3日早生である。
  2.耐倒伏性は強い。
  3.ジャイアンツに劣らない栄養収量が得られる。

主要な具体的データ

Ⅰ.Caldera 535に関する試験成績

試験地区 品種名 生草収量 乾物収量 TDN収量 生草中TDN比
十勝 C 535 362kg/a 91kg/a 66kg/a 18.7
ヘイゲンワセ 268 77 58 23.0
根釧 C 535 477 103 70 14.8
ヘイゲンワセ 428 92 61 14.8
北見 C 535 496 140 101 20.6
ヘイゲンワセ 393 121 88 23.0

Ⅱ.P 3575、P 3390、JX 188に関する試験成績

品種名 試験場所 生草収量 乾物収量 TDN収量 生草中TDN比
P 3575 北海道農試 656kg/a 167kg/a 120kg/a 18.2
道南農試 617 174 124 20.1
現地試験 546 162 118 21.5
平均 (94) (106) (109)  
P 3390 北海道農試 650 164 118 18.1
道南農試 638 165 118 18.5
現地試験
平均 (103) (108) (110)  
JX 188 北海道農試 646 167 116 19.6
道南農試 657 167 121 18.5
現地試験 630 176 124 19.7
平均 (101) (106) (108)  
ジャイアンツ 北海道農試 661 160 116 17.6
道南農試 597 148 102 17.0
現地試験 581 143 98 16.9
平均 (100) (100) (100)  

平均はジャイアンツに対する比率の平均である。

適応地帯
 Ⅰ.caldera 535
   十勝、北見、沿海地方を除く根釧の各地帯
 Ⅱ.P 3575、P 3390、JX 188
   道央、道南地帯

栽培上の注意
 1.過度の密植をさけること。
 2.十分な肥培管理をすること。
 3.晩播をさけること。