1.課題の分類   畑作(機械)
2.研究課題名   ばれいしょ茎葉処理機械の利用技術試験
3.期     間   昭和50年〜
4.担     当   十勝農試農業機械科
5.予 算 区 分   道費
6.協 力 分 担

7.目 的
 近年ばれいしょのウイルス病の発生が著しく、この対応策として採種体制の整備が急務とされている。この一環としてウイルスはアブラムシが媒介するものであり、完全防除が不可能な現状において汚染される前に茎葉を除去する。いわゆる若種子いも法が当面の技術として実用化が検討されている。茎葉処理機械の改良・開発をし、この利用技術体系を組立て、利用導入上の参考に供する。

8.試験研究方法
 1)試験期日および場所
  昭和50年7月29日(第1回単用処理)、8月2日(第2回重被処理)十勝農試
  昭和50年8月 5日(    〃    )、8月7日(    〃     )士幌町
 2)供試機
  ア・リーフカッタ(TKT-1)、イ・リーフバーナ(TLB)、ウ・リーフプーラ(オランダ、オールデンホイス)、エ・スプレーヤ(枯凋剤、レグロックス300cc/10a)
 3)調査項目
  茎葉処理率、茎葉再生状況、現地利用調査

9.結果の概要・要約
 1)茎葉処理試験結果はリーフプーラの引枝処理がもっとも効果的であり、次いでリーフバーナ、枯凋剤、リーフカッタの順位であった。
 2)リーフプーラは茎葉が引抜れ放できされた上に切断された茎葉が飛散し根部を埋没させることがある。このため再生とみられるが実際には塊茎から離れている。
 3)リーフプーラは若干の塊茎露出があり、また損傷が発生していることがある。畦中が広く培土が適正であれば解消するものである。倒伏の少ない健全種子いもの育成の面からも栽植様式の改善が望まれる。
 4)一般的にはリーフプーラの単用で満足すべき結果を得たが、別に完璧を期すためには枯凋剤リーフハーナの組合せ利用が良い。
 5)利用試験から1畦用で1.04ha/h、2畦用で38.0ha/hの作業能率であった。
 6)早生種についてはリーフバーナ、枯凋剤の散布、あるいはリーフカッタとの複合利用で充分であるが中晩生種については単用の場合はリーフプーラが効果的である。
 7)茎葉処理は早生化していると容易である。貯蔵施設等を利用し催芽を促進し早生化することも一つの処方であり、このことは早期処理による収量減を少なくすることでもあり、検討を要する。

10.主要成果の具体的数字

表1 圃場条件

  品種 播種日 施肥量kg/10a 畦中
cm
株間
cm
N P K
十勝農試 紅丸 5月10日 8.4 13.2 10.8 66 37.8
士幌町 農林1号 5月5日 9.6 21.6 14.4 68 29.5
  塊茎収量kg/10a 茎 葉 調査月日
0〜20 20〜60 60〜 草丈cm 葉重kg 引抜抗力kg
十勝農試 150 806 597 1557 77.9 2546 16.21 7月28日
士幌町 213 893 1297 2403 118.8 6841 21.90 8月5日

表2 茎葉処理別再生重量 (十勝農試)

  試験区別 作業速度 生茎葉重
g/㎡
再生長
cm
再生数
本/㎡
再生重
g/㎡
変速 m/sec
1 リーフカッタ      単用 2 0.64 403 28.5 3.7 8.9
2    〃   +リーフバーナ 2 0.74 66 14.0 1.3 2.0
3    〃   +枯凋剤 2 0.75 17 8.7 0.6 0.7
4 リーフバーナ     単用 1 0.52 177 15.3 3.3 5.3
5 枯凋剤          〃 3 1.00 188 18.0 1.6 6.9
6   〃     +リーフバーナ 3 1.00 24 10.7 0.7 0.9
7 リーフプーラ(1畦)単用 3 1.05 0 0 0 0
8    〃   +リーフバーナ 3 1.05 0 0 0 0
9    〃   +枯凋剤 3 1.03 0 0 0 0
10 リーフプーラ(2畦)単用 3 1.05 5 10.0 0.2 0.8
11    〃   +リーフバーナ 3 1.05 2 0 0 0
12    〃   +枯凋剤 3 1.06 0 0 0 0

調査日 8月23日

11.今後の問題点

12.次年度計画(成果の取扱い)