1.課題の分類 機械6(2) もみ乾燥 2.研究課題名 ラジアルビン(DS)の利用試験 3.期 間 昭和49年〜 4.担 当 中央農試農業機械部 5.予 算 区 分 道単 6.協 力 分 担 |
7.目 的
高水分穀物の乾燥専用ビンとして、ラジアルビンのセンターダクトに改良を加え、乾燥施設として利用を見たので中小規模乾燥施設の設置上の参考に供する。
8.試験方法
期日 昭和50年9月〜10月 場所 北村中小小屋地区
供試施設 50年銘柄米産地育成対策事業 峰延農協ライスセンター
供試籾 50年美唄市峰延産自脱コンバイン収穫籾品種ゆうなみ含水率20〜28%
改良ビン主要緒元
項目 | 改良ビン | 貯蔵ビン | 項目 | 改良ビン | 貯蔵ビン |
全高 mm | 4.270 | 4.270 | 籾層厚さ mm | 922 | 1.195 |
外側直径 mm | 2.990 | 2.990 | 籾容量 t | 12 | 16 |
センタダクト直径 mm | 1.146 | 600 | 送風機 | 35/28型566m3/min 236Aqmm |
9.結果の概要・要約
1)100ha規模のライスセンターでラジアルビン貯蔵ビン2基、改良(乾燥専用)ビン2基循環型3tタイプ乾燥機4台の組合せ利用を行った。(表1)仕上り玄米総量7.850俵で歩留74%であった。
2)改良乾燥専用ビンの乾燥性能は、籾初期含水率22.8〜25.6%、熱風温度気温+10℃で、平均乾減率0.74〜0.8%であった。高水分では3回中水分で中1回のローテーションを行った。
3)改良乾燥専用ビンと貯蔵ビンの性能比較を図1、2に示したが平均乾減率で、0.4%程度の差があり、水分むらも改良ビンの方が少なく、乾燥による品質の低下は認められなかった。
4)100ha規模のライスセンターでは、16tの貯蔵ビン2基と12tの乾燥専用ビン3基で、コンバイン収穫に充分対応でき施設費としても原価で取扱いも容易である。
10.主要成果の具体的数字
表1 利用実績(50年9月27日〜10月28日)
項目 | 乾燥ビン1 | 乾燥ビン2 | 貯蔵ビン1 | 貯蔵ビン2 | 乾燥機4台 | 合計 | ビン利用 計 |
ビン利用 割合 |
生籾受入量 t | 105.025 | 135.685 | 165.235 | 161.875 | 81.640 | 649.460 | 567.820 | 87.5% |
仕上乾燥 t | 66.325 | 57.390 | 51.510 | 34.655 | 439.580 | 649.460 | 209.880 | 32.3% |
図1 乾燥経過の1例(改良ビン)
図2 乾燥経過の1例(貯蔵ビン)
表2 試験成績
項目 NO |
時間 | 入気 温度 |
〃 湿度 |
熱風 温度 |
排気 温度 |
供試 籾重 |
籾水分 | 燃費 | 風量比 | ||
乾前 | 乾後 | 差 | |||||||||
改1 (9.29〜30) |
15.30 | 16.6℃ | 57% | 27.6℃ | 16.2 | + 11,881 |
% 25.6 |
% 15.1 |
% 10.5 (0.8%/h) |
68.0L | m3/s-t 0.78 |
19.30 | |||||||||||
21.45 | 10.4 | 61 | 21.6 | 10.7 | 34.0 | ||||||
23.45 | |||||||||||
9.00 | 16.8 | 45 | 26.3 | 16.5 | 50.6 | ||||||
14.00 | |||||||||||
16.45 | 14.4 | 55 | 24.0 | 15.9 | 34.0 | ||||||
18.45 | |||||||||||
改2 (10.1) |
9.30 | 18.3 | 42 | 28.1 | 17.6 | 11,040 | 22.8 | 15.4 | 7.4 (0.74) |
75.4 | 0.84 |
14.30 | |||||||||||
15.35 | 16.3 | 54 | 25.6 | 17.3 | 75.0 | ||||||
20.35 | |||||||||||
貯1 (10.13〜14) |
19.45 | 7.2 | 92 | 17.3 | 10.0 | 13,250 | 24.8 | 17.2 | 7.6 (0.47) |
− | 0.74 |
6.45 | |||||||||||
8.00 | 13.3 | 64 | 25.4 | 13.5 | 75.0 | ||||||
13.00 |
試算 100ha規模乾燥施設
水稲平均収量 6t/ha×利用農家の水田面積100ha=年間計画処理量600t
1日の計画処理量=600t÷20日=30t(収穫水分27%)
貯蔵ビン16t 2基 毎時乾減率0.5% 10時間で5.0%
乾燥ビン 12t 3基 毎時乾減率0.7% 10時間で7.0%
11.今後の問題点
ラジアルビン単独利用の実証
12.次年度の計画
あり(12tonビンに統一したライン)