1.課題の分類   根釧農試 酪農
2.研究課題名   粗飼料生産における請負作業の成立条件に関する調査研究
             −草地酪農における牧草収穫機械の組織的利用の経済性−
3.期     間   昭和48〜50年
4.担     当   根釧農試 酪農科 相田隆男
5.予 算 区 分
6.協 力 分 担   十勝農試 農業機械科

7.目 的
 牧草収穫機械利用組織において、利用料金と稼動面積の決定は、利用組織の側にたったものが多いが、利用農家がこれら機械を利用する場合の経済的な利用方法について明らかにしようとした。

8.試験研究方法
 調査対象として西春別第12機械利用集団の実態調査
 既往の試験成績に基づく整理分析

9.結果の概要
 ①利用組織における料金の算定は慣行技術の経費との均衝をとるため、稼動面積の拡大により均衝を図っていく。そのため一番牧草の収穫期間は6月中旬から8月中旬にわたっている。
 ②そのことは機械利用農家、作業委託農家のとって有利であるような錯覚を与えるが、経済的には明らかにされていない。
 ③当場における牧草の生育時期別栄養生産量に関する成績から時期別TDN生産量から単位面積当たり乳代生産可能額を推計し、一方、機械利用組織のおける年間所要経費を稼働面積別に単位面積当たり利用料を算定し、時期別の乳代可能生産額から相対する利用料を差し引いたものの大きさを経済性を計る尺度とした。
 ④その結果、牧草を6月13日から7月13日までの30日間に刈取ったものが収穫適期を逸してまでも稼働面積を拡げたものに比べ、利用料金は若干高くなるが、利用料を差し引いた乳代可能生産額では最も高い値を示した。また、期間が短い場合は利用料が高額になり良い結果にならなかった。
 ⑤また、牧草収穫における農家の順番については品質・量的なことで種々の問題のあったところであるが、前記③の結果を用い、繰り返し作業において圃場の分割方法を従来の均等分割から傾斜分割にすることにより、品質・量の均等化を試算した。この場合、折り返し点を6月22日になるような計画でないと試算のとおりにならない。注意を要する。

10.主要成果の具体的数字

図1 稼動面積別のha当り平均乳代生産可能額

11.今後の問題点
 現状は根釧地域にしか適応しないが、草地酪農の各地域について牧草の時期別栄養生産量の調査が行わなければ、全道に適応が可能である。