【指導参考事項】
1.課題の分類
2.研究課題名  水田除草剤の処理条件と薬害に関する試験及び調査
            Ⅱ PHC粒剤とMCC・MCP粒剤の併用に関する試験
3.期  間  (昭和52年)
4.担  当  中央農試稲作部、圃場管理科
5.予算区分
6.協力分担

7.目  的
 殺虫剤のPHC粒剤を移植直前の育苗箱に処理した水田に於いて、除草剤のMCC・MCP粒剤を中期に処理した場合の水稲に対する影響について検討する。

8.試験研究方法
 PHC粒剤処理量:50,70g/箱
 MCC・MCP粒剤処理:300g/a、移植後20,25,30日
 品種:ともゆたか、5月21日移植

9.結果の概要・要約
 ①葉枯発生を枯葉程度で調査した結果、PHC粒剤50g/箱当り散布の場合無処理区に対して、MCC・MCP粒剤の移植後20日処理では、152%25日処理は170%30日処理は167%で処理時期による差は小さいが、いずれも無処理より50%以上の差が認められた。
 ②PHC粒剤70g/箱当り散布の場合無処理区に対して、MCC・MCP粒剤の移植後20日処理と25日処理は265〜261%と多く、30日処理は127%であった。
 ③水稲の生育収量については、7月7日または7月21日の茎数が、無処理区に比べMCC・MCP粒剤処理は殆どの区で少なく、収量についても3〜15%の減収で、その程度はPHC70g/箱当りが大きく、またMCC・MCP粒剤の散布時期では移植後20日処理より25日〜30日処理の減収が大きかった。
 ④移植時の苗素質または除草剤散布時の低温などにより調査結果に誤差も見られるが、上記の如くPHC粒剤処理の水稲に対してのMCC・MCP粒剤の処理では葉枯れ、または生育抑制などが考えられるので併用はさけることが必要である。

10.主要成果の具体的数字
PHC
処理量
MCC・M
処理日
無処理区
対比枯葉率
ロール葉
発生程度
茎数及穂数 出穂

(月日)
a当
籾重
(g)
同左比
(%)
7月7日 7月21日 成熟期
50 無処理 13.50 15.0 23.8 23.0 8.9 66.8 100
20 152 ビー小 10.2 16.1 19.3 64.5 97
25 170 9.7 17.5 20.8 60.7 91
30 167 10.2 16.2 20.3 57.7 86
70 無処理 12.25 13.4 20.2 20.6 66.0 100
20 265 ビー小 9.8 15.4 18.2 60.3 91
25 261 7.9 13.6 18.3 55.6 84
30 127 10.2 15.6 21.1 57.1 87

11.今後の問題点

12.成果の取扱い上の注意