【指導参考事項】
1.課題の分類
2.研究課題名  籾がら熱風発生装置利用試験
3.期  間  (昭和51年〜
4.担  当  中央農試農業機械部
5.予  算  道 単
6.協力分担

7.目  的
 籾がら熱風発生装置利用による、麦及び籾の乾燥を実施し、導入上の参考に供せんとする。

8.試験方法
 期日 52年7月、9月、10月    場所 前田農協共乾施設
 供試装置  北糖エンジニアリング WHB-300

表1 供試装置の仕様
装置名 仕   様 装置名 仕   様
籾がら熱風発生炉 300kg/H1,900φ×2,700H 灰出し装置 D004F4MH
ロータリーバルブ200m/H
籾がら供給装置 ロータリバルブ
200m D007 F4MR
熱風押込送風機 620㎡/min 80mm/g
熱交換装置 550,000kcal/H 操  作  盤 屋外自立防滴型

 供試施設平面図  図1参照
 供試穀物  52年産麦及び籾
 測定項目  熱風温度、籾がら燃焼量、穀物含水率等

9.結果の概要
 1)ドライストアによる麦の静置乾燥の結果を表2、図1に示した。堆積高さ1.2m、供試量1.4tで毎時乾減率1.2%であった。
 2)籾については、ローテション乾燥を実施した。時間の経過と共に送風量が増大する利用方式であるが、熱風温度は、25℃前後にほぼ一定に保つことが出来、平均乾減率1.8%であった。
 3)連続流下式乾燥機に利用した結果、毎時乾減率0.4%であった。
 4)表3に利用実績を示したが、収穫籾がら量の1/3で乾燥が出来た。

10.主要成果

表2 麦静置乾燥
供試
麦重
含水率 乾減率
初期 終期
kg
14,196
%
19.7
%
16.1
%/h
1.2
蒸発水
分量
静圧 送風量 風量比
kg
610
mm/g
190
m3/min
750
㎡/sec t
0.88


図1 ドライストアによる静置乾燥


図2 ローテションによる籾乾燥

表3 乾燥機利用結果(52.11.籾ゆうなみ)
熱風
温度
二次
空気
ダフト
温度
乾燥機入口温度 乾減率(%/hr) 備考
1 2 3 4 1 2 3 4


81.7


12.4


39.4


34.2


34.6


34.3


33.4
17.3
〜15.9
 0.39
17.2
〜15.9
 0.39
17.3
〜15.9
 0.40
17.3
〜16.0
 0.39
容量1.9t
収量60×4m3/min

表3 利用実績
項 目 単位 数 値 項 目 単位 数 値
利用日数 4152.9.26
  〜11.8
籾がら発生量 T 375.144
炉運転時間 Hr 790.55 籾がら焼却量 T 120.459
生籾処理量 T 2,481.942 燃渣量 T  21.816
玄米量 T 1,833.900 使用電力量 KWH 10,899.3


図3 籾がら熱風発生装置の熱精算

表 ローテション乾燥における籾の組成
\項目 精籾 扶梗付 脱粒玄米 わら切れ 調 削
原料 84.4 3.0 1.7 0.7 0.3 6.0 3.0
ローテション機 96.1 0.9 1.2 1.2 0.1 5.0 5.0


図4 供試施設配置図


図5 乾燥機熱風利用フローシート

11.今後の問題点
 排ガス顕熱の乾燥機への直接利用、炉の損失熱利用のための屋内設置ダクト放散熱防止のための断熱など、更に検討を進める。