【指導参考事項】
1.課題の分類  野菜 収穫
2.研究課題名  葵インゲン収穫機の実用化試験
3.期  間  (昭52年)
4.担  当  中央農試農業機械部
5.予算区分
6.協力分担

7.目  的
 ピッキングタインにゴムを被覆すると共にタインの本数を変えて、収穫莢の損傷とほ場損失の減少をはかる。又、way Beans.の機械収穫の適応性を検討する。

8.試験方法
1)期日と場所 昭和52年8月、石狩町生振
2)供試機 プルーガ ビーン ハーベスタ BP200
被覆ゴム厚さ3㎜、タイン本数136本、196本
3)品種 Bive Lake274、Midas (wax Beans)
4)播種日 Midas 5月24日 Bive Lake6月3日
5)栽植法 Midas     1本立 株間 15、10、7.5、5㎝  畦幅  60㎝
        2本立 株間 30、20、15、10㎝   〃   〃
Bive Lake  1本立 株間 10㎝         畦幅  60㎝
6)施肥量 10a当り N 4㎏ P2O5 16㎏  K2O 9.6㎏

9.結果の概要
 1)Bive Lake
 (1)タインにゴムを被覆することにより供給量、ドラム回転数にかかわらず、傷が減少して無傷葵が増加し効果が認められた。しかし、折莢の減少には効果が期待できない。
 (2)タイン本数については196本(密)が落莢割合が少なかった。しかし残莢については差が明らかでなかった。
 (3)ピッキングドラムの回転数が高まると、処理にかかわらず無傷莢は減少し、傷莢が増加した。又、供給量が多いと、タイン本数が少ない場合に無傷莢の減少傾向がみられた。
 2)Midas
 (1)収量は株立本数による差はなく、密度が高い程良莢収量は高い。
 (2)MidasはBive Lakeに比べて莢の長さが短かいので、折莢が少なく、製品化率は高い。
 (3)冷凍、缶詰加工莢について良莢割合をみると、加工前の損傷(大)のうち63.2%、損傷(小)のうち92.9%が製品可能であった。
 (4)折莢のうち5㎝以上はカットビーンとして製品可能であると考えられ、莢に傷のないものが93.4%含まれていた。

10.主要成果の具体的数字

 1)タインノゴム被覆効果

 2)タイン数が損失に与える影響

 3)ピッキングドラム回転数

 4)Midasの良莢収量(㎏/a)
  30cm×2 20×2 15×2 10×2 15cm×1 10×1 7.5×1 5×1
収量 74.2 72.2 120.0 156.7 101.9 94.3 118.4 159.7
青莢 23.8 23.4 15.2 10.8 14.2 13.7 7.7 12.5

 5)冷凍・缶詰製品化割合
タインの種類 損傷(大) 損傷(小) 折莢5cm以上
ビッキングタイン 粗(136本) 59.1% 88.0% 88.4%
    〃     密(196本) 67.3 97.7 98.4

 6)Midasの良莢割合(加工後)
タイン
本数
良莢
(%)
損傷
(%)
折一良莢
(%)
折莢
(%)
廃棄
(%)
81.3 2.1 3.8 3.6 9.2
81.4 1.0 4.6 4.0 9.0