【指導参考事項】
1.課題の分類
2.研究課題名  送水過程における水温の変化と水管理
3.期  間  (昭52〜54)
4.担  当  北農試農業土木研究室
5.予算区分  別枠・経常研究
6.協力分担

7 目  的
 北海道におけるダムで温水取水されたかんがい用水の送水過程における水温変化特性を調べ、今後の適正な水管理の参考資料とする。

8.研究方法
 現地観測 月形ダム−中の頭首工−開水路、管水路−水田における水温自記にて連続測定
 52年6月〜8月

9.結果の概要・要約
 (1)延長6kmの小河川での水温変化は6.7月を通じて殆どなく、水温の波形は到達時間だけずれた。
 (2)端末約3kmの小水路部分で平行して走る開水路と管水路の水温を比較した結果、6月上旬では開水路は日平均水温で0.5℃低下、管水路では殆ど変化なし。7月中旬では開水路は殆ど変化なし、管水路は1℃弱低下、開水路の場合は気温、日射、管水路のばあいは、埋設深さにおける地温との平衡水温と考えられる。
 (3)水温の日較差は管水路が開水路より小さく、6月上旬では水田水温より用水温の高い時間は管水路の方が1時間程度長かった。
 (4)日平均水温は水稲初期生育にあたる6月頃では管水路の方が高いが、7月以降は開水路の方が高い。夜間、早朝取水、書間止水の水管理を行えば問題はないと思われるが管水路の端末に調製池を設けて、水温上昇を計れば7月以降のデメリット対策になる。



図1 送水過程における水温の変化(南月形地区 52年調査)

11.今後の問題点
 (1)流量・到達時間の変化と水温との関係
 (2)長大水路における水温変化と水管理

12.次年度の計画
 上記問題点について調査を継続する。