【指導参考事項】
1. 課題の分類 めん羊 育種 2. 研究課題名 「サフォーク種」に関する試験成績 (サフォーク種の系統造成に関する試験) 3. 期間 昭和48年 4. 担当 滝川畜試・めん羊科 5. 予算区分 道費 6. 協力分担 なし |
7. 目的
サフォーク種の特性を把握し、能力・資質の向上を図る資料とするため、滝川畜試における昭和42年から昭和52年までの10年間の成績をとりまとめる。
8. 試験研究方法
サフォーク種の繁殖性・発育・体型・産毛性および産肉性について調査し、コリデール種との比較において検討する。繁殖供用雌羊は延1,767頭である。
9. 結果の要約
(1) 繁殖季節の開始は9月13日でコリデール種より14日間遅い。
(2) 妊娠期間は147.1日でコリデール種より2日短い。
(3) 受胎率89.9%、子羊生産率156.5%および育成率80.2%である。
(4) オーストラリア産に比較してカナダ産の子羊生産率は高い。
(5) 生時体重は単子雄>単子雌>双子雄>双子雌の順である。
(6) 育成率は生時体重2.9Kg以下お・よび7.0Kg以上で低い。
(7) 離乳時体重は単子雄>単子雌>双子雄>双子雌の順で10%ずつ小さくなる。コリデ−ル種より10%大きい。
(8) 産毛量は少なく、コリデール種のおよそ半量である。
(9) 産肉成績はコリデール種よりも良い。
10. 主要成果の具体的数字
(1) 離乳時体重(分娩の型別) Kg♂ | ♀ | ♂♂ | ♂♀の♂ | ♂♀の♀ | ♀♀ | |
サフォーク | 36.3** | 33.6** | 30.1 | 29.3** | 27.8** | 28.0** |
コリデール | 32.6 | 30.1 | 28.7 | 27.1 | 24.7 | 25.1 |
(2) 体型(15ヵ月齢 雌) Kg.cm
体重 | 体高 | 体長 | 胸幅 | 胸深 | |
サフォーク | 50.8** | 63.1 | 72.4** | 22.1** | 28.4** |
コリデール | 44.1 | 62.3 | 68.5 | 20.7 | 27.0 |
体重 | 毛量 | 毛長 | 産毛率 | |
サフォーク | 59.5** | 2.6** | 8.7** | 4.4** |
コリデール | 50.2 | 4.6 | 11.7 | 8.7 |
生体重 | 枝肉 歩留 |
ロース 断面積 |
脂肪厚 | ||
ロース上 | 助上 | ||||
サフォーク | 37.3Kg | 47.0Kg | 11.3cm2 | 2.3mm | 4.5mm |
コリデール | 33.8 | 45.4 | 9.2 | 2.3 | 4.1 |
11. 指導参考上の注意事項
本成績は牧草主体・多頭数飼育条件下で得たものである。したがって、個別農家の飼養条件によってはあてはまらない場合も考えられるが、一つの指標として利用できる。
12. 今後の問題点
(1) 育成率の向上 優良系統の造成
(2) 多産性の検討 飼養法の改善
(3) 産肉性の向上 雑種繁殖の活用