【指導参考事項】
メロン  作型、栽培一般
道南農試
施設野菜の周年栽培体系確立試験
6月どりメロン栽培技術試験
(5)2果どリに関する試験

2.目 的
 この作型の収益性をより高めるため、株当り2果収かくを安定する整技法について検討する。

3.試験方法
試験区分   着果目標節位   10節・15節 主枝1本仕立
立作り
2果連続節着果
  着果節上位葉数   10葉・15葉
  側枝葉数(1節葉)    0葉・15葉
  1区6株  2反復
栽培概要   供用品種 ハウスメロン「北海エース」
  は種期3月1日 定植期 4月4〜5日 その他品種試験に準ずる。

4.結果および考察
a 着果節位の影響
 花着生はが安定し、2果収かく株率が高まった(84%)。開花日は、当然が5日前後遅れた。果重はが明らかに重く、果型、ネットはがやや良い傾向であった。
糖度については差がなかった。

b 着果節位上葉数の影響
 開花日は、が1日前後遅れた。果重はが重い傾向にあり、ネットも特に低節位着果・側枝葉のない時に良型化した。糖度もが高まった。

c 側枝葉の影響
 開花日はが高節位着果の時、やや遅れる傾向となったがその差は少なかった。果重はが重い傾向にあり、特に低節位着果で影響が大きかった。また、果型、ネットおよび糖度の向上にも働いており、特に高節位着果・上位葉少数の時に効果が大きく、主枝葉に対する補償効果が期待できた。
d 同一株内の着果位置上下の差上位節に着いた果実の方が5%程度果重大となるがネットはやや粗となり、糖度も低い傾向であった。

e 1果どりと比較して、高節位着果で大差ない果実が得られたが、低節位着果では小果となった。

f 以上から主要果実形質と整技法の関連を要約すると
 〔果重〕着果節位下の総葉面積が大きい程、果実の重量が大であった。生育の初期からこの葉面積多少の影響が大きく、主枝葉のみならず側枝葉も有効であった。
 〔糖度〕着果節位上の総面積が大きい程、糖度は高く安定した。主枝葉のみならず側枝葉も有効であり、特に主枝葉の少ない時に影響が大きかった。
 〔果型〕高節位着果のものがやや長型化し劣った。
 〔ネット〕側枝葉あるいは着果節上葉数を確保することにより良い傾向となった。

5.主要なデータ
a 整枝法と生育および果実形質 (52年)


目標
着果
節位
主枝葉数 側枝葉数 良 
着生率
(%)
平 均
開花日
(月日)
着果節位 果重 (g) 果型
等級
ネット 糖度
Brix
着果節の 平均 上下差 平均 上下差 平均 上下差
下位 上位
1 10 7 10 0 68 5/6.1 10.5 ±0.9 1,230 ±54 (A)-A' 4.5 ±0 11.9
2 10 7 15 0 67 5/7.4 11.3 ±0.9 1,230 ±19 A-A' 4.9 ±0.1 12.6
3 15 12 10 0 84 5/10.9 15.3 ±0.8 1,357 ±21 A-(B) 4.6 ±0.2 11.8
4 15 12 15 0 90 5/11.8 15.7 ±0.8 1,393 ±69 A' 4.6 ±0.1 12.6
        下位上位                    
5 10 7 10 5+10 80 6.1 11.4 ±0.6 1,217 ±33 A-A' 4.8 ±0 12.1
6 10 7 15 5+10 72 6.9 10.2 ±0.8 1,330 ±35 (A)-A' 4.9 ±0.1 12.3
7 15 12 10 5+10 87 11.2 14.8 ±0.9 1,399 ±28 (A)-A' 4.8 ±0.1 12.1
8 15 12 15 5+10 77 12.3 15.1 ±1.0 1,419 ±31 A' 4.8 ±0.2 12.7
主効果 節位   1,252   1.68 4.78   12.3
1,392 2.00 4.70 12.3
F 24.36** 9.79* 2.64 0.09
上位葉数 1,301 1.82 4.68 12.0
1,344 1.87 4.80 12.7
F 224 0.02 3.94 63.79**
側枝葉 1,303 1.92 4.65 12.2
1,341 1.75 4.83 12.4
F 1.99 3.52 7.33* 7.09*
交互作用 節位×上位葉F   0.19   0.02 5.51   0.09

注:平均開花日は、10節または15節位について
  上下差は、同株中2果の着果節上下関係の差
  果型等級の有意性検定はA→1、A'→2、B→3、C→4として計算した。


   □ 内の数字は総葉面積(単位100㎝2)の小亜〜大

6.今後の問題点
 品種毎の検討、養水分管理基準の設定