【指導参考事項】
1.課題の分類  畜産
2.研究課題名  パイプラインミルカーの真空圧変動特性(ユニット数とパイプ径)
3.期  間  昭和53年
4.担  当  中央農試農機部
5.予算区分
6.協力分担

7.目  的
 パイプラインミルカーは中堅規模酪農家向きとして、導入利用が増加しつつあるが、配管が多様にできる、国内に基準等がない、牛乳配管自体が搾乳真空圧と牛乳の同時通路である等のため真空圧の変動の面から問題が提起されている。そこで、配管内流量(1ユニット当搾乳流量とユニット数)、管径および配管方法(立ち上がり)と真空圧変動の関係を明らかにして、導入利用上の参考とする。

8.方法
 1)試験期日、場所 昭和52年12月〜、中央農試不凍実験室1
 2)供試機械施設
  イ)真空ポンプ容量900L/min
  ロ)調圧器設定圧370mmHg
  ハ)ミルキングユニット 0杜製(交互搾乳)
  ニ)真空配管 環状
  ホ)牛乳配管設定
   ①高さ(ミルククロ牛乳配管最低)1.6m
   ②勾配 5/1,000
   ③牛床幅 1.35m
   ④ミルクタップ間隔 2.7m
   ⑤搾乳頭と長さ
内径φ 頭数 タップ数 全長(片側)
29㎜ 34 16 69.6(32.3)
34 40 20 79.4(37.5)
42 54 26 94.1(43.3)
注)環状( )内は最終タップ〜
 受乳ジャーまでの距離
 3)要因
  イ)牛乳配管内径 29. 34. 42mmφ
  ロ)ユニット数 2. 4. 6
  ハ)1ユニット当り吸水量 2〜8L/min
  ニ)立ち上り
   (ジャーから17〜18m点) 高さ40cm
                   長さ1.9m
 4)真空圧測定箇所
  イ)牛乳配管末端
  ロ)ミルクホース内(クローバイプ間)
  ハ)受乳容器部

9.結果の概要、要約
 1)40cmの立ち上りで、管内真空圧が約40mmHg以上低下変動する。
 2)牛乳配管径と流量Qの関係では、管内圧の変動最低値を20mmHgとすると、各々の設定長に対して、管内径29φで約10L、34φで約17〜18L、42φで約40Lとなる。(流量と変動圧の関係にユニット数nの影響は少ない。もし1ユニット、毎分当りの搾乳量をQとすれば、同時使用可能ユニット数nは、n<Q/Qとなる必要がある。もしくは管径を太くする。

10.主要成果の具体的数字

図1 各設定径と流量


図2 立ち上がり有時


図3 ミルクホース内真空圧(H=1.6m)
             ハイライン


[参]図4 ミルクホース内真空圧(H=0)
               ハイライン

11.普及上の問題点
 1.牛体状況により搾乳時流出乳量Q(およびQ/Q)が異なる。
 2.立ち上りがやむなき場合はスイング式を使用

12.成果の取扱い
 1.導入基準を策定して、利用上の指針とする。