【指導参考事項】
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1.課題の分類 品種選定(アカクローバ) 2.研究課題名 アカクローバ「ジャンボ」に関する試験成績 3.期 間 昭和50〜53年度 4.担 当 北農試草開第二部、道立中央、天北、新得、北見、根釧、各農畜試 5.予算区分 受託試験 6.協力分担 6場所 |
7.目 的
アカクローバ4倍体品種系統の特性および生産力を検定する。
8.試験研究方法
| 品種・系統 | 倍数性 | 育成国 |
| サッポロ | 2X(標準基準) | 日本 |
| ハミドリ | 2 X | 日本 |
| レッドヘッド | 4 X | オランダ |
| ハミドリ4N | 4 X | 日本 |
| ジャンボ | 4 X | オランダ |
| テ ト リ | 4 X | オランダ |
9.結果の概要
「ジャンボ」の特性概要
(1)早生種に属し、「サッポロ」に比較して、開花始で1〜3日、開花期で3〜4日早い。
(2)葉長は中位、葉幅は中〜やや広く、葉斑はやや不鮮明である。
(3)草姿は従来の4倍体品種「レッドヘッド」ほど巨大ではなく、この品種と「サッポロ」との中間型を呈する。
(4)倒伏が少なく、春秋の草勢・再生ともに並からやや強である。
(5)競合性は「レッドヘッド」より弱く、混播適性は高い。
(6)輪紋病・黒葉枯病および、すす点病に対する抵抗性は最も強い。その他病害に対する抵抗性は「サッポロ」並である。
(7)道央および天北地方では3年目〜4年目の冬季間に冬枯れ被害が著しく現れたが、道東地方で顕著でなかった。
(8)4年間の生草収量は、「サッポロ」の95〜109%(平均99%)、風乾収量は91〜101%(平均94%)であった。
(9)4ヵ年風乾収量は標準比83〜101%(6場所平均94%)であった。
(11)そばかす病、輪紋病、黒葉枯病、すす点病および菌核病に対する抵抗性は極めて強く、供試品種中随一であった。その他の病害抵抗性はサッポロやハミドリ並み。
10.主要成果の具体的数字
場所別4ヶ年合計風乾物収量 (㎏/10a)
| 品種・系統 | 北農試 | 中央 | 天北 | 新得 | 北見 | 根釧 |
| サッポロ | 1386<> | 2903 | 2850 | 3099 | 3808 | 2895 |
| ハミドリ | 1445 | 2888 | 2692 | 2957 | 3683 | 2728 |
| レッドヘッド | 1278 | 2413 | 2236 | 2874 | 4015 | 3104 |
| ハミドリ4n | 1473 | 2935 | 2682 | 2741 | 3625 | 2919 |
| ジャンボ | 1364 | 2648 | 2606 | 2840 | 3572 | 2931 |
| テ ト リ | 1155 | 2220 | 2272 | 2924 | 4077 | 3236 |
| F 価 | 7.86** | NS | * | NS | ||
| CV % | 12.0 | 7.1 | 6.7 | 4.4 | ||
| サッポロ | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
| ハミドリ | 104 | 99 | 94 | 95 | 97 | 94 |
| レッドヘッド | 92 | 83 | 78 | 93 | 105 | 107 |
| ハミドリ4n | 106 | 101 | 94 | 88 | 95 | 101 |
| ジャンボ | 98 | 91 | 91 | 92 | 94 | 101 |
| テ ト リ | 83 | 76 | 80 | 94 | 107 | 112 |
11.奨励態度
「ジャンボ」は早生で巨大性、進攻性を緩和した点に特徴があり、4倍体品種としては競合力中位で、混播適性が高い。倒伏および葉部病害に強く、根釧地方に適する「準奨励品種」として奨励したい。
適応地域：根釧地方