【指導参考事項】
水稲除草剤による大豆の生育異常 (昭和54年) 中央農試・畑作部畑作第一科 |
目的
水田除草剤「モリネートSM粒剤」ならびに本粒剤を構成する単剤の水中からの揮散が大豆の生育におよぼす影響を検討する。
方法
(1)モリネートSM粒剤処理による大豆品種の反応
大豆7品種供試し10月30日に温室内に播種。11月22日(第2本葉抽出始〜期)より2日間、モリネートSM粒剤6g/㎡(水田使用量の2倍量)を水と共にシャーレに入れて大豆の畦間におき、全体をビニールで被覆。さらに12月2日より4日間9g/㎡の薬剤を用いて同様の処理を行った。
(2)単剤処理
大豆「キタコマチ」を供試し、10月30日に鉢に播種して温室内で養成。12月2日(第2本葉抽出期)より2日間、MCPB、シメトリン、モリネートSMを水田使用量の約3倍(シメトリソは約18倍)量を水と共にシャーレに入れて鉢内におき密閉状態で処理。
結果の概要
(1)モリネートSM粒剤処理による大豆品種の反応
第2回目の処理約1週目頃より、伸長期にあった第2本葉ならびに抽出期にあった第3本葉の葉辺が黄褐色を呈した。その症状は日数の経過と共に顕著となり、とくに抽出期にあ第3本葉は枯死するものもあった。
(2)単剤
処理後1週間頃より葉害症状があらわれ、薬剤別には次のような症状が認められた。
MPPB:葉に薬斑はなく、主茎が甚だしくわん曲。
シメトリン:葉全体の褪色や葉脈間の黄変が起こり、甚だしいものは全体が枯死。
モリネート:若い葉の葉辺が黄褐色に変わり、幼葉では枯死するものもあった。
モリネートSM:同上
指導上の注意事項
大豆が隣接する水田における「モリネートSM粒剤」の使用にあたっては、本剤の田面からの揮散による薬害の防止に十分注意する。