【指導参考事項】
1.課題の分類  畜産機械
2.研究課題名  搾乳施設の合理化に関する試験(パイプラインミル力)
3.期  間  昭和49〜54年
4.担  当  中央農試 機械部
5.予算区分  道 単
6.協力分担

7.目  的
 パイプラインミルカにおける配管方法および真空発生装置の容量等にクラスタ供給真空圧の低下の関係について把握すると共に市販銘柄の仕様、特性を明らかにし、導入上の指針を策定する。

8.方  法
1)真空配管〔300〜900L/minの空気流量時の管内差圧〕
 ①管径SGP20A,25A,32A,VP25 ②配管方法 環状 直状 ③その他、曲管
2)牛乳配管〔基本施設0社,模擬搾乳装置による模擬搾乳と管内低下真空圧〕
 ①管内径29.34.42min(ガラス) ②勾配 0/1000,5/1000,10/1000
 ③立ち上がり(40cm)対ライン両側,片側
3)真空発生装置〔牛乳配管への0.2〜20秒の空気流入時,管内低下真空圧〕
  ポンプ容量 300,600,900L/min
4)市販銘柄の仕様特性〔各部仕様特性と模擬搾乳試験〕
  40〜60頭規模 11社12機種

9.結果の概様要約
 使用クラスタ数n,1クラスタ当吸入空気量qa(L/min),吸水流量qW(L/min),配管全長L(m),管内径d(mm)=2r,勾配を△H,配管内差圧を△P(mmHg)。とする。
主条件,対象牛舎規模60頭,n=6,qw=3
1)真空配管:条件を△P<5と設定;
 (1)けい留舎内環状配管,L=100,又性能試験からqa=23,よって空気流量Qa=nqa=138であり,この時△P=3.75×10b×r-6.5の傾向から△P<5となるためにはr>13.4が必要でSGP25A程度以上となる。
 (2)真空ポンプー調圧器間についてはQa=470〜1200L/min(ポンプ容量)が流れる。
L=5として△P=64×r-5.3×106の結果からSGP32A相当以上が必要。
1=5として△P==64×t×10の結果からSGP32A相当以上が必要o
2)牛乳配管:条件を△Pmax<25と設定
 (1)立ち上がり,40㎝両側で△Pmax=30〜40片側ではrに大きく左右されるが,洗浄等の面で好ましくない。
 (2)立ち上がりのない時試験結果△Plf(n,qw1/△H,L1/r)の関係が認められた。ここで作業性の点で△H=5/1000が標準と判断されqw=3,n=6,ミルクタップ受乳容器間管長L′=50とし,△P<25を当てはめると,d=32〜38が標準と判断される。
 (3)真空ポンプ容量:牛乳配管内の瞬時空気の流入による△Pは真空ポンプの容量Qpに反比例する。また,作業時のクラスタ(n)の扱いによる流入空気を考慮するとQp=120n以上が適当と判断される。
 (4)市販銘柄の仕様特性:パルセ一夕特性は脈動数=46〜62回/分,脈動比(搾乳期)=0.5〜0.72で英国規格等の範囲内にあった。また模擬搾乳試験の結果△Pはnにより異なるが概ね△Pmax<25であった。

10.主要成果の具体的数字
図1.真空配管(環状)
   但しn=6,qa=23
図2.牛乳配管(立ち上がり40cm)
   n=6,qw=3
   △H=10/1000,L=30〜45
図3.牛乳配管(勾配)
   n=6qw=3,L′=50)
図4.牛乳配管(内径)
   △H=5/1000,n=6,qw=3
   L′=(1.35×頭数+12)÷2
図5.真空ポンプ容量と
   空気流入時乳管内真空圧低下

表1.市販銘柄の仕様と特性
項目/機種 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12



材  質 ガラス
G
G SUS G G G G SUS SUS SUS SUS SUS
内径dmm 34 42 482 40 34 34 42 351 47.8 47 48.5 38
標準勾配
   x/1000
3 3 8 32 5 2〜3 1 1 7〜8 5 10 4
残乳回収法 スポン
ジ・S
S エア
a
a a S a S a a a a.s
真空ポンプ容量L/分 970 1000 878 473 1061 927 901 1023 1097 1051 1287 830
パセ特
 ー 
ルタ性
脈動数 62.5 60.5 50.0 49.2 50.6 49.9 60.0 50.6 49.0 55.0 59.0 61.5
 〃 比 0.72 0.72 0.52 0.60 0.68 F0.53
R0.63
0.52
0.61
0.50 0.59 0.59 0.59 0.62
空気消費量 23 27 35 28 20 14 23 21 23 25 17 25
模乳管
擬時内
搾乳圧
   P
n=0 387 379 361 378 39.3 39.0 372 375 364 370 382 382
n=4 377 375 346 367 382 378 368 369 357 358 365 379
n=6 / 375 / 359 377 372 362 367 355 353 / 376

11.普及上の問題点
  本結果はハイライン方式に摘用。ローライン方式は検討要

12.成果の取扱い
  導入設置の基準とする。