【指導参考事項】
1.課題の分類  6.(3)豆類石抜
2.研究課題名  豆類石抜機改良試験
3.期  間  昭和56年〜
4.担  当  中央農試農業機械部 十勝農試
5.予算区分  道 単
6.協力分担  道畑作振興課・ホクレン施設課

7.目  的
 道産豆類の異物混入防止対策試験を進める中で、国産石抜機の改良と成果を得たので導入上の参考に供する。

8.試験方法
1)試験期日  昭和55年12月〜56年12月
2)場  所  岩見沢市
3)供試機  GA100AE,改良機GA100M
項目/機種 主要寸法 各部回転数算 排出
風量
所要
動力
処理量
奥行 高さ 重量 ファン カム ストローク 角度
GA100AE mm
1,380
mm
1,620
mm
1,870
kg
480
r.p.m
1,150
r.p.m
450
mm
10

12固定
m3/mm
50
KW
1.5
t/h
4
GA100M 1,610 1,680 1,870 490 1,350 510 9〜12.5 50 2.4 4

4)供試豆類の組織
月日 項目
/種別
整粒 第1種
被害粒
第2種
被害粒
100
粒重
粒径(100平均)
長さ 厚さ
55.12 小豆 93.3% 0.7% 6.7% 15.1g 7.06mm 5.19mm 4.93mm
56.3 金時 74.6 6.2 19.2 71.0 14.15 9.12 7.00
56.12 小豆 94.9 2.0 3.1 12.6 6.58 5.17 4.94

5)投入小砂利
項目/
種別
100
重(g)
粒径 比重
長さ 厚さ
美幌(小) 21.34 5.31 3.92 3.15 2.47
十勝(小) 14.93 6.50 5.20 4.00 2.57
十勝(大) 147.79 15.40 10.70 7.60 2.54
美幌(極小) 9.50 4.92 3.54 2.95 2.52

9.試験結果の概要
1)初期試験は、玄米用の石抜機の適応試験を実施した。小砂利の除去は、ほぼ良好であったが,処理量が2t前後と少ないため改造を進めた。
2)改良機は,供試機の表に表すごとく,デッキ面積を増加すると共に角度を12度固定から,9〜12.5度の可変とし,合わせて,送風機回転数及びカム(振動数)を可変とした。
3)供試豆の組織ごとき,小豆(宝)及び大正金時を用い,意図的に小砂利を混入し試験を行った結果を表1に示したが、小豆の場合3.5,3.7t/hで小砂利216kgに対し,1粒の混入を認め,大金の場合7.4t/hで162kgに2粒の混入を認めたが,標示能力の範囲で利用可能と判断した。
4)その後より小さな小砂利の混入が小豆についてあるとのことで実験し結果を表2に示した。これについても標示能力の4t/hで利用可能である。なおNo6は再選別の結果である。

10.主要成果の具体的数字
表1 石抜機(GA-100M)の試験結果
種類 小豆(宝小豆) 大正金時
No./項目 1 2 3 4 5 6 7 8 9
調


デッキ角度
(度)
10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0
振動数
(回/分)
509 507 507 508 507 515 515 515 513
送風機
(r.p.m)
1,130 1,129 1,130 1,135 1,128 1,348 1,348 1,353 1,353


供試重量
(kg)
216.1 216.1 216.1 216.1 216.1 162.7 162.7 162.7 162.7
所要時間
(分.秒)
3′43″ 2′40″ 1′59″ 3′32″ 3′32″ 3′47″ 2′11″ 1′31″ 1′19″
処理量
(t/h)
3.5 4.9 6.5 3.7 3.7 2.6 4.5 6.4 7.4




美幌(小) 200
42.68
200
42.68
200
42.68
200
42.68
200
42.68
- - - -
十勝(小) 90
13.43
100
14.93
100
14.93
100
14.93
99
14.77
- - - -
十勝(大) - - - - - 98
144.83
98
144.83
100
147.79
100
147.79
除石(ヶ・g) 289
55.9
300
57.61
300
57.61
299
57.46
299
57.45
98
144.83
98
144.83
100
147.79
98
144.83
製品混入(ヶ・g) 1(美)
0.2
0
0.00
0
0.00
1(+)
0.15
0
0.00
0
0.00
0
0.00
0
0.00
2
2.96

表2 小砂利(小)試験結果
種類 小豆(宝小豆)
No./項目 1 2 3 4 5 6
調


デッキ角度(度) 10.6 10.6 10.6 10.6 10.6 10.6
振動数(回/分) 515 515 515 515 515 515
送風機(r.p.m) 1,130 1,130 1,130 1,130 1,130 1,130
送風量(m3/mm) 100 100 100 100 100 100


供試重量(kg) 217.2 217.2 217.2 217.2 217.2 217.2
所要時間(分.秒) 5′36″ 4′08″ 3′10″ 2′26″ 1′53″ 3′08″
処理量(t/h) 2.2 3.0 3.9 5.1 6.6 4.0
投入小砂利 200
19.10
200
19.00
198
18.80
197
18.60
198
18.75
9
7.56
除石(ヶ.g) 199
19.00
200
19.00
198
18.80
197
18.60
198
18.75
9
7.56
製品混入(ヶ/g) 1
0.10
0
0.00
2
0.05
3
0.13
2
0.06
1
0.84

表3 製品混入小砂利
No 長さ 厚さ 重さ
3 mm mm mm g
4.00 3.35 2.45 0.05
4.30 2.80 2.20
4 4.90 4.40 2.60 0.13
4.05 2.85 2.75
5.70 3.35 2.45
5 4.35 3.50 2.95 0.06
4.20 3.45 3.40

11.普及上の問題点
 現地利用の中で更に検討を進めたい。