【指導参考事項】
課題名  てん菜導入による草地生産性向上実証試験(経済的評価)
          道立根釧農試・酪農科

目 的
 酪農経営におけるてん菜、とうもろこしを導入した土地利用方式の経済性を検討する。

方 法
 実態調査及び試算分析を基に土地利用形態の農業所得を算出し比較有利性による。

結果の要約
 1.草地酪農経営におけるとうもろこしは面積当り栄養収量を高め、土地の集結的利用が期待できる。さらに家族労働力の効率的活用が可能となり、大規模経営あるいは耕地拡大の制約を受ける経営において、とうもろこし導入は有利性を示す。
 2.てん菜は収量の向上により経済性が再認識され、栽培のため播種プラント移植、収穫の施設、機械利用組織が編成されたもとでは作業の労働負担が軽減され、作付が可能となる。こうした条件のもとで酪農経営におけるてん菜耕作は農業所得を高め経営部門として選択される。
 3.酪農経営においててん菜、とうもろこしの導入は草地更新をより促進する実態があり、牧草−とうもろこし、てん菜−牧草の草地更新体系の確立は、その作付構成を定着させる意義をもつ。

指導上の留意事項
 とうもろこし、てん菜の導入は新たな施設、機械の利用から費用負担を伴う。また家族の労働時間は時期的には分散するが労働負担が増加する。こうしたことから施設、機械の共同利用、共同作業など生産組織の成立が条件となる。