【指導参考事項】
1.課題の分類 乾燥・調整 2.研究課題名 緊急豆類収穫乾燥機械化対策試験 莢実人工通風乾燥方式の実用化試験 3.期 間 昭和56〜 4.担 当 道立十勝農試・農業機械科 5.予算区分 道 費 6.協力分担 道立中央農試・農業機械部 |
7.目 的
近年、豆類については機械化による省力栽培が強く要望されている。菜豆類はコンバイン収穫が困難なので菜実乾燥方式の合理化が課題である。人工通風乾燥方式について実用化技術を組立てる。
8.試験研究方法
1)試験機械・施設 アンローデングビーンハーベスタ(自走式)、乾燥トレーラ、ビーンピックアップ、ダクト接続方式乾燥施設、送風機、ヒータ
2)試験期日 昭和56年、昭和57年
3)試験場所 河西郡芽室町西高岩農事実行組合
4)調査項目 作物条件、作業能率、乾燥施設燃費、含水率
9.結果の概要・要約
(1)手作業でにお積みする体系は労働負担があまりにも大きい。これ迄にお積機も開発されたが単純なにお積機では満足できず広く普及するには至っていない。刈取りと同時にトレーラに収納し、人工乾燥する方式は従来の問題点をすべてを解決するものである。ha当りの刈取り、にお積み時間22.5hrが9.0hrで処理できた。
(2)莢実の乾燥は高水分のものでも4〜5日で終了する。短期間の乾燥でも莢付きの状態であれば品質等級は特に異常を認めない。煮豆試験でも現在のところ判然とした差はない。
(3)人工乾燥は施設費と燃料費が重み、ha当り経費は266,005円(1/2補助)の試算となる。これは慣行に対して1.9倍である。
(4)施設の償却費を軽減しようとすれば多目的に利用することであり、小麦を乾燥することでは、燃料費を節約するために刈取り後圃場に3日放置して予備乾燥する。この体系ではha当り経費は196,050円となる。慣行に対して1.4倍である。この程度の負担であれば実用上問題とは考えられない。
(5)小麦の乾燥はトレーラ自体が静置型乾燥機と同じ構造であり57年度の種子小麦の乾燥も円滑に行われた。圃場予備乾燥の場合はピックアップを別に必要とする。57年度の試作機は順調に稼働した。
(6)莢実人工通風乾燥方式のメリットは労働負担の軽減、省力化ばかりでなく、いわゆる全天候型で中広く気象条件に対応できること、端境期の高価格時に仕切れることなどである。
10.主要成果の具体的数字
図1 手亡A(1日圃場乾燥)
表1 利用経費試算
項 目 | ha当り経費 | 備 考 | ||
作業体系 | 固定費 | 変動費 | 計 | |
直接刈取乾燥 アンローデング ビーンハーベスタ |
402.308 201.193 |
64.812 64.812 |
467.195 (336.3) 266.005 (191.5) |
ハーベスタにトレーラ 伴走作業 |
圃場予備乾燥 ビーンハーベスタ& ピックアップ 1日 |
420.482 210.243 |
59.340 59.340 |
479.822 (345.4) 269.583 (194.0) |
ビーンハーベスタで 刈取り、圃場予乾 |
圃場予備乾燥 ビーンハーベスタ& ピックアップ 3日 |
420.482 210.243 |
33.857 33.857 |
454.339 (327.0) 244.100 (175.7) |
|
圃場予備乾燥 ビーンハーベスタ& ピックアップ 3日 +小麦乾燥 |
324.335 162.193 |
33.857 33.857 |
358.242 (257.9) 196.050 (141.1) |
小麦 トレーラ当り3.6ton 約1ha分収容 1回7ha 年2回 14haの処理 |
慣 行 に お 積 | 113.071 (56.587) |
25.858 (25.858) |
138.929 (100.0) 82.395 (59.3) |
11.今後の問題点
施設の利用拡大
12.次年度計画(成果の取扱い)
現地の実態調査