1.課題の分類 線虫 畑作 2.研究課題名 ダイズシストセンチュウ抵抗性品種栽培 における線虫面からみた対策 3.予算区分 転換畑 国試 4.研究期間 完 (53年〜57年) 5.担 当 虫害第2研 北農試 畑虫害研 6.協 力 分担関係 畑作部業務科 |
7.目 的
ダイズシストセンチュウ抵抗性品種利用による線虫害回避のための輪作体系を確立する。
8.試験研究方法
北海農業試験場畑作部のテンサイ、バレイショ、コムギ等とダイズの輪作圃場で、ダイズシスト
センチュウ抗性品種「スズヒメ」栽培による線虫相の変化を5月と9月季別ベルマン法および篩別
法の調査し、感受性品種「キタムスメ」と比較した。
9.成果の概要
ダイズシストセンチュウ抗性品種「スズヒメ」の栽培により、ダイズシストセンチュウ密度が低下し、
5年間連作しても本品種の抵抗性を破るレースは出現しなかった。しかし、「スズヒメ」の栽培圃場で
は「キタムスメ」の栽培圃場よりもキタネグサレセンチュウ密度が高く、連作障害がみられた。バレイ
ショ・秋コムギ・テンサイ等との輪作あとのキタネグサレセンチュウ密度はテンサイで最も低く、その
結果「スズヒメ」に対する増収効果が高かった。
以上の結果より、ダイズシストセンチュウ抵抗性品種「スズヒメ」の栽培に当たっては、連作を行わ
ず前作物にテンサイを入れてネグサレセンチュウ密度を下げる必要がある。
10.成果の具体的数字
SSキタムスメ、SR:スズヒメ、P:バレイショ、B:テンサイ、W:秋コムギ
●、,○:ダイズシストセンチュウ
×:キタネグサレセンチュウ
────:9月、‐‐‐‐‐:5月
第1表 2年輪作によるダイズの連作に対する収量比
55年 | 56年 | 57年 | |
キタムスメ−秋コムギ | 134.8 | 137.3 | 132.9 |
〃 −バレイショ | 136.0 | − | 132.5 |
〃 −テンサイ | − | − | 130.7 |
スズヒメ−秋コムギ | 95.3 | 129.7 | 103.1 |
〃 −バレイショ | 121.1 | − | 125.8 |
〃 −テンサイ | − | − | 134.0 |
11.成果の活用と留意点
ダイズシストセンチュウ抵抗性品種「スズヒメ」の栽培には輪作にテンサイを組入れる。