4.来　　　歴
　組合せ:単交配(デント×デント　構成系統名は不明)
　育成者:Jacques Seed社(アメリカ)
　導入者:雪印種苗㈱

5.特性の概要
　(1)絹糸抽出期は｢ホクユウ｣と比べてほぼ同程度かやや遅く、｢バッファロー｣より1〜2日遅い中生の晩である。
　(2)耐倒伏性は｢ホクユウ｣より強く、｢バッファロー｣並である。
　(3)発芽は｢ホクユウ｣、｢バッファロー｣並で初期生育は両品種並かやや劣る。
　(4)稈長及び着雌穂高は｢ホクユウ｣、　｢バッファロー｣よりやや低い。
　(5)乾物・TDN収量とも「ホクユウ｣より優り、「バッファロー｣とほぽ同等かやや優る。乾物中のTDNは｢ホクユウ｣、｢バッファロー｣より高い。総体の乾物率は｢ホクユウ｣、｢バッファロー｣とほぽ同等である。
　(6)すす紋病抵抗性は「ホクユウ」、「バッファロー」並である。ごま葉枯病抵抗性は「ホクユウ」、「バッファロー」よりやや強い。

6.試験結果
　　各場所における主要特性および収量

試 験 場 所	年 次 (昭)	形質/ 品種	初期 生育 (1良〜 5否)	絹糸 抽出期 (月・日)	収穫 時熟 度(%)	倒伏 (含折損) (%)	収量(kg/10a)			総体 の乾 物率 (%)	乾雌 穂重 割合 (%)	乾物中 TDN (%)
							乾総重	TDN	比(%)
北 農 試	59 〜 61	SH3097	2.0	8.8	黄中後	0.0	1593	1166	99	32.9	55.9	73.2
		ホクユウ	1.3	7	黄後	9.8	1512	1063	90	32.4	45.3	70.3
		バッファロー	2.0	7	黄後	0.4	1636	1181	100	33.5	52.4	72.2
中 央 農 試	59 〜 61	SH3097	3.1	8.6	黄中後	33.4	1637	1195	104	32.3	55.2	72.9
		ホクユウ	1.7	5	黄後	47.9	1472	1035	91	29.7	45.4	70.4
		バッファロー	2.5	5	黄中後	33.8	1575	1137	100	31.5	52.4	72.2
滝 川 畜 試	61	SH3097	2.2	8.8	黄中	5.9	1830	1344	108	30.9	57.2	73.5
		ホクユウ	2.0	10	黄中	8.8	1844	1292	104	29.9	44.2	70.1
		バッファロー	1.5	8	黄中	14.8	1716	1246	100	30.2	54.0	72.7
上 川 農 試	59 〜 61	SH3097	2.3	8.2	黄後完	1.1	(1482)	(1065)	(101)	(29.4)	(51.1)	(71.9)
		ホクユウ	2.7	2	黄後完	19.0	(1277)	(906)	(86)	(30.4)	(47.7)	(71.0)
		バッファロー	1.7	1	黄後完	6.1	(1478)	(1056)	(100)	(29.9)	(49.4)	(71.4)
十 勝 農 試	59 〜 61	SH3097	2.3	8.11	糊後	31.8	1320	938	97	25.0	47.9	71.0
		ホクユウ	2.3	10	黄初中	70.3	1291	892	92	24.9	41.0	69.2
		バッファロー	2.0	9	糊後 黄初	27.1	1359	966	100	25.7	48.3	71.1
北 見 農 試	61	SH3097	3.8	8.20	糊後 黄初	0.0	1484	1049	107	25.0	46.8	70.7
		ホクユウ	2.8	21	黄初	57.0	1578	1060	108	25.4	33.7	67.2
		バッファロー	4.0	20	糊後 黄初	2.0	1386	979	100	24.2	46.2	70.6
八 雲 町	60 〜 61	SH3097	2.0	8.19	糊後 黄初	1.6	1488	1085	112	33.2	55.1	73.0
		ホクユウ	1.5	17	黄中後	52.0	1253	880	91	33.4	44.7	70.2
		バッファロー	1.0	17	黄初	6.0	1354	966	100	34.8	48.6	71.3
鵡 川 町	60 〜 61	SH3097	2.8	8.13	黄中	16.0	1521	1112	93	28.6	55.6	73.1
		ホクユウ	2.0	13	黄後完	66.4	1430	993	85	26.3	41.8	69.4
		バッファロー	2.1	10	黄中	13.7	1644	1183	100	28.9	51.2	71.8
忠 類 村	60	SH3097	2.3	8.19	黄後	0.0	1272	904	100	23.7	48.2	71.8
		ホクユウ	1.8	18	黄初	2.2	1038	708	78	24.1	37.2	68.2
		バッファロー	2.5	18	黄後	0.0	1295	908	100	24.5	44.4	70.1

注1　(　)は60年、61年2カ年平均。2.八雲町は道南農試、鵡川町は中央農試、忠類村は十勝農試担当。

特性検定試験成績

試験場所	品種名	すす紋病		ごま葉枯病		備考
		昭59	昭61	昭59	昭61
北農試	SH3097	2.0	3.0	0.0	2.0	Elliott&Jenkinsの 指数(0無〜5甚)による。
	ホクユウ	3.0	3.0	1.0	2.5
	バッファロー	2.5	2.5	2.0	2.3

(注)すす紋病59年9月3日、61年9月9日調査、ごま葉枯病59年9月14日、
61年9月9日調査。

7.普及対象地域
　道央および道南地域

8.栽培利用上の注意
　一般の栽培基準に準ずる。

9.種子供給が可能となる時期および普及見込面積
　種子供給が可能となる時期:昭和62年、普及見込面積:5,000ha,配布し得る種子量:125t