9.結果の概要、要約
1)試験-1 チモシー主体草地に対するアカクローバの追播試験
① チモシー主体泥炭草地にアカクローバを追播することにより、アカクローバの定着がみられ、泥炭草地でも、アカクローバの追播によってマメ科率の回復が図られた。(図-1)
② 追播時期は、6月下旬が最もアカクローバ追播効果が高く、次いで7月中旬であった。
③ 掃除刈によりチモシーの生育は抑圧され、その回数が多いほど抑圧効果が高かった。掃除刈は、20日間隔で1〜2回が良かった。
④ 追播時期と掃除刈回数との間には交互作用があり、追播時期が遅くなるほど掃除刈は少ない回数で良かった。しかし掃除刈をしなかった場合は悪かった。
⑤ 圃場条件の異なる3草地で、パワーティルシーダーを用いた実証試験では、播種当年秋には、アカクローバの冠部被度は54%あり、生草収量で約500㎏/10a、マメ科率で約30%が得られた。(図-2)
2)試験-2 マメ科追播時における溝内施肥適用量試験
① 泥炭草地におけるチモシー主体草地に対するアカクローバ追播時の溝内への施肥量は、10aあたり、チッソは0〜0.5㎏リン酸は2.5〜5.O㎏、カリは1.0㎏
程度が適当であった。