新品種候補
総合農業 作物生産 夏作物 そば-1-2-
水田畑作 総合農業 作物生産 夏作物

−そば新品種候補系統−

「北海1号」の概要


北海道農業試験場畑作物生産部、 厳寒地資源研究室
・・・・・・・・・・特性一覧表・・・・・・・・・・
系統名 北海1号   「牡丹そば(富良野産)」から選抜
特性 【長所】
 1.早熟多収である。
 2.草丈が短く、揃いが良い。
【短所】
 脱粒性については「牡丹そば」並み
である。
採用県及び普及見込み面積 北海道  4,000ha
調査地 北海道農試 (遠軽) 十勝農試畑作園芸科
調査年次 昭和61〜63年 昭和61〜63年
品種・系統名形質 北海1号 牡丹そば
(対象)
しなの夏そば
(比較)
北海1号 牡丹そば
(対象)
生態系 夏型 夏型 夏型 夏型 夏型
成熟期 やや極早生 やや極早生 やや極早生
開花期(月日) 7.26 7.27 7.26 7.26 7.28
成熟期(月日) 9.7 9.13 9.3 9.4 9.6
草丈(cm) 100 107 96 111 121
第一次分枝数(本/株) 3.3 3.3 2.7 2.2 2.3
花房数(個/株) 17 20 14 10 11
耐倒伏性
脱粒の難易
全重(kg/a) 59.0 70.5 58.5 52.3 54.1
子実重(kg/a) 18.1 14.7 16.1 15.4 14.6
対標準比(%) 123 100 110 105 100
リットル重(g) 550 537 530 544 563
千粒重(g) 26.4 24.6 24.9 31.3 30.3
粒型 3稜型 3稜型 3稜型 3稜型 3稜型


2.北海1号の特記すべき特徴
 「北海1号」の草型は「牡丹そば」と同じく直立・短枝型で、葉の形はやや丸形、茎の太さは細い。果皮色は濃褐色で粒揃いは斉一で生態系は夏型である。草丈は「牡丹そば」よりやや短稈で、開花始めは同程度であるが開花期が早い。成熟期は「牡丹そば」より早く、登熟は斉一で良好である。「牡丹そば」より多収で千粒重もやや重い。

3.北海道で奨励品種に採用しようとする理由
 近年、北海道では各種畑作物の連作あるいは輪作期間の短縮による障害が発生している。そばは生育期間が短いため、各種畑作物との組合せによる輪作が容易な作物である。
 しかし、北海道に於けるそば品種としては、昭和5年に奨励品種に採用された「牡丹そば」があるに過ぎない。「北海1号」は「牡丹そば」に比べ早熟、多収であり、「牡丹そば」に替わりうる品種として期待される。

4.普及見込み地帯  全道一円