【指導参考事項】
完了試験研究成績(平成元年1月)
| 1.課題の分類 総合農業 生活環境 土壌肥料 1-1-2 5-2 農業環境 環境資源 土壌 生成分類 2-3-1 北海道 土肥・環 2.研究課題名 北海道における土壌・土地資源情報システムの開発と利用 3.予算区分 経常 4.研究期間 完(58〜62年) 5.担当 北海道農試・生産環境・土壌特性研(土肥1研) 6.協力・分担関係 なし |
7.目的
本研究室が行ってきた全道の土壌調査が終了し、その結果は報告書として公表されている。しかし、未公表のデータも多い。これまでに得られたデータを用い、北海道における土壌の情報システムを作成する。
情報システムの利用によって、土地分翠、分類など目的に応じ、必要なデータを簡単に得ることができる。
8.試験研究方法
土壌調査で得られた断面記載、分析値をコード化しコンピュータに入力、磁気ディスクに保存する。コンピュータは随時使用可能なパソコンを用いプログラムはC言語BASICによる。
また、作成されたデータをもとに各種の利用法について検討する。
9.成果の概要
1)土壌データは試坑地点、断面、分析値のファイルからなり、断面、分析値は各層ごとに入力する。
2)各項目について検索が可能であり、検索結果はレポート形式、メッシュ土壌図として出力される。
3)分析値は回帰分析、主成分分析などの統計処理が可能である。
4)網走支庁南部をテストデータとして土壌図ファイル、メッシュ土壌図ファイル、メッシュ標高図ファイル、メッシュ傾斜図ファイル、メッシュ気温図ファイルを作成した。
5)上記メッシュ図ファイルの重ね合わせプログラムを作成した。
6)データ利用の例として女満別図幅において農牧適地区分図を作成した。
7)分析値データを加工し斜里図幅における土壌有効水分容量分布図を作成した。
10.成果の具体的数字
表1 女満別図幅農牧適地区分(メッシュ数のみ)
| 農牧適地区分* | |||||||||
| 未区分 | A | B | C | D | E | 計 | |||
| 土 地 利 用 |
未区分 | 554 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 559 | |
| 市街地 | 0 | 80 | 28 | 0 | 0 | 0 | 114 | ||
| 水田 | 0 | 245 | 27 | 13 | 2 | 1 | 288 | ||
| 畑 | 0 | 498 | 1,352 | 395 | 161 | 61 | 2,467 | ||
| 荒れ地 | 0 | 70 | 20 | 7 | 1 | 7 | 105 | ||
| 林地 | 0 | 111 | 393 | 357 | 342 | 1,664 | 2,867 | ||
| 計 | 554 | 1,006 | 1,823 | 778 | 506 | 1,733 | 6,400 | ||
図2 土壌水分容量区分図(斜里図幅)
11.成果の活用面と留意点
オリジナルプログラムのソースリストは希望者に原則としてフロッピーディスクの形で提供する。
各種の目的に応じた土壌図の作成を行う。土壌調査データに関連した各種の基礎資料の収集が不可欠である。
12.今後の問題点
1)土壌データの入力
2)メッシュ図出力
3)地力保全基本調査による土壌データとの互換性