7.目的
アカクローバ品種の各地域における適応性を単播条件下で検定し、優良品種選定の資とする。

8.試験方法
品種名:「MR-1-83」
育成者:三井東圧化学株式会社
育成経過:国内外の品種を母材とした3サイクルの集団選抜法

場所別試験方法の概要

場所	供試 品種	播種 量	播種 法	畦巾 (cm)	1区 面積 (㎡)	反 復 法	年間合計施肥量(kg/a)				播種 月日	年間刈取回数
							2〜3年目
							N	P2O5	K2O	MgO	昭62	昭62	昭63	平元
北農試	5	100	条播	50	8	4	0.29 (0.32)	0.54 (0.60)	0.54 (0.60)		5.19	2	3	3
中央	5	100	条播	50	6	4	0.45	1.35	1.80		5.22	2	3	3
北見	5	120	条播	60	6	4	0.40	0.80	0.60		5.19	2	3	3
根釧	6	100	条播	40	6	4	0.40	1.00	2.20	0.20	5.25	2	2	2
天北	5	100	条播	50	6	4	0.30	0.90	1.20	0.30	5.11	2	3	3
新得	5	100	条播	50	8	4	0.40	1.20	1.60	0.40	5.19	2	3	3
滝川	5	100	条播	50	6	4	0.30	1.00	2.00		5.9	2	3	3

注)分施の時期は各場ともに早春、1番刈後、2番刈後とした。(　)は3年目

9.結果の概要・要約
(1)開花の時期:「サッポロ」よりやや早い。早生。
(2)越冬性:「サッポロ」よりやや優れている。
(3)早春の草勢:「サッポロ」よりやや優れている。
(4)倒伏:「サッポロ」と同程度かやや強い。
(5)病害:うどんこ病に強い。
茎割病には「サッポロ」と同程度。
(6)収量:根釧以外で「サッポロ」より多収。
(7)永続性:「サッポロ」よりやや優れている。

10.主要成果の具体的数字
(1)乾物収量

場所	年間乾物収量(kg/a)				収量性(サッポロ対比%)
	1年目	2年目	3年目	3カ月合計	1年目	2年目	3年目	3カ月合計
北農試	46.7	124.3	108.4	279.4	94	107	126	110
中央	49.0	125.0	75.5	249.5	102	98	124	106
北見	54.3	111.8	93.6	259.7	104	103	111	106
根釧	15.9	83.1	73.7	172.7	87	94	91	92
天北	50.4	99.2	86.9	236.5	92	93	101	96
新得	52.2	101.0	71.1	224.3	101	102	115	105
滝川	43.7	146.2	120.6	310.5	89	101	102	100
7場平均	44.6	112.9	90.0	247.5	96	100	109	102

(2)病害

病 害	場所	品種	昭62年		昭63年			平元年
			1番草	2番草	1番草	2番草	3番草	1番草	2番草	3番草
う ど ん こ 病	北農試	MR-1-83	2.6	-	-	-	1.0	-	1.0	-
		サッポロ	2.6	-	-	-	3.0	-	5.0	-
		調査日(月日)	8.6				9.28		8.7	-
	中央	MR-1-83	-	-	-	-	1.5	-	-	1.5
		サッポロ	-	-	-	-	2.0	-	-	3.0
		調査日(月日)					10.12		-	9.21
	北見	MR-1-83	1.0	2.0	1.0	1.0	1.3	1.0	1.8	2.0
		サッポロ	1.5	3.5	1.0	3.8	3.0	1.5	2.8	2.8
		調査日(月日)	7.22	9.10	6.29	8.18	9.19	7.3	8.9	10.12
	新得	MR-1-83	1.0	1.5	-	1.0	-	-	-	-
		サッポロ	1.0	1.6	-	1.5	-	-	-	-
		調査日(月日)	8.3	10.12		8.8
	滝川	MR-1-83	1.4	1.4	-	-	1.0	-	-	1.0
		サッポロ	2.0	1.8	-	-	2.5	-	-	2.3
		調査日(月日)	7.29	9.11			9.16			10.3

注)良1〜不良5

11.成果の活用面と問題点
(1)栽培適地:根釧地域を除く、全道一円
(2)栽培利用上の留意点:採草用として利用する。
(3)種子の供給が可能となる時期:平成6年1月
(4)配布しうる種子量:供給量　6トン

12.残された問題点との対応