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成績概要書  (作成 平成10年1月)

課題の分類:
研究課題名:冷凍米飯向け原料米の加工適性と評価
      (低コスト米生産総合技術開発−米の高度利用技術開発)
予算区分:道費
研究期間:平成5年−10年度
担当科:中央農試・農産化学部・穀物利用科
協力・分担:

1.目 的

 食品関連業界や消費者が求める米の内容を明らかにするとともに、冷凍米飯向け原料米の加工適性を解析して内部成分に基づく評価基準を示し、北海道米の評価を行う。

2.方 法

1) 流通米飯の実態調査:大手食品加工業者、道内外食産業に対するアンケート調査。

2) 米飯調理に関する意識調査と官能評価:天使女子短大の学生24名を対象に試験。

3) 冷凍米飯(ピラフ)向け原料米の加工適性解析:原料米の品質(白度、タンパク、アミロース)、炊飯特性(吸水性、浸漬膨張比、加熱吸水量、膨張容積比等)、小規模製造試験(浸漬重量比、製品歩留まり、ほぐれ度等)。保存性(氷晶水分等)検討。

4) 冷凍米飯の官能試験:硬さ、粘り等の官能試験。テンシプレッサーによる硬さ、粘性等の測定。

3.結果の概要 

1)米飯加工メーカー、外食産業は原料米を選定する際の基準として、先ず外観品質の安定性を、品質面では味とつやを優先していた。また、業務の効率化を図るために半数の外食産業で調理済み米飯の使用を希望していた。

2)女子大生を対象に調理米飯の調査を行ったところ、ピラフ用には比較的硬く粘りの少ない米をイメージしていたが、官能試験ではほどほどの硬さと粘りのある米が好まれた(図1)。

3)原料米の白度と冷凍米飯の製品白度との関連性はみられなかった。タンパク含量の高い米では浸漬時の吸水性が低く、加熱時に容積は増加するが、加熱吸水量が低く重量で表される製品歩留まりは低い傾向を示した。また、