新親品種候補(作成 平成11年1月)
総合農業 作物生産 夏作物 てんさい てんさい-Ⅰ-2-
北海道 作物 畑作 てんさい

てんさい新親品種候補系統「NK−210BR」の概要

北海道農試・畑研セ・甜菜育種研究室

1.特性一覧表
系統名 NK−210BR
特 徴 長所 組合せ能力が高い 短所
調査地 育成地(北海道農業試験場)、北海道立北見農業試験場、同十勝農業試験場

「NK−210BR」の組合せ能力 ()の数値は対 「モノホマレ」比
品種・
系統名
組合せ 根重
(t/10a)
根中糖分
(%)
糖量
(kg/10a)
不純物価
(%)
種子親 花粉親
モノホマレ MOMSC-431 NK-152 5.04(100) 17.21(100)  878(100) 3.59(106)
J1010
J1012
KMS-5
KMS-5
NK-210BR
NK-217BR
5.22(103)
4.99( 99)
17.60(102)
17.85(104)
928(106)
 897(102)
3.37( 94)
3.29( 92)
N1347
N1348
N1349
N1350
N1351
N172xN248
N172xN248
N172xN248
N172xN248
N172xN248
NK-152BR
NK-210BR
NK-212BR
NK-217BR
NK-218BR
4.61( 91)
4.90( 97)
4.63( 92)
4.75( 94)
4.74( 94)
17.43(101)
17.62(102)
17.83(104)
17.67(103)
17.69(103)
 810( 92)
869( 99)
 835( 95)
 847( 96)
 846( 96)
3.36( 94)
3.26( 91)
3.19( 89)
3.19( 89)
3.35( 93)
モノホマレ MOMSC-431 NK-152 5.62(100) 17.07(100)  964(100) 3.01(100)
M1032
M1033
M1034
M1035
M1036
N172xN233
N172xN233
N172xN233
N172xN233
N172xN233
NK-152BR
NK-210BR
NK-212BR
NK-217BR
NK-218BR
5.10( 91)
5.33( 95)
5.15( 92)
5.06( 90)
5.21( 93)
17.66(103)
17.95(105)
17.86(105)
17.77(104)
17.76(104)
 907( 94)
963(100)
 926( 96)
 907( 94)
 934( 97)
3.05(101)
2.95( 98)
2.89( 96)
2.74( 91)
2.93( 97)
形 質 NK-210BR NK-152(対象) モノホマレ(参考)
1倍数性
2種子の胚数
4葉 姿
5葉 長
6葉 数
13クラウンの大小
14根 形
15根 長
16根 周
21トップ重
22根 重
23T/R比
24根 中 糖 分
25糖 量
26ナトリウム
27カ リ ウ ム
28アミノ態窒素
29熟 期
30抽 苔 耐 性
31褐斑病抵抗性
32根腐病抵抗性
33葉腐病抵抗性
二 倍 体
多 胚
中 間
や や 長
や や 少

やや長円錐
や や 長
や や 大
やや極少
や や 多
やや極低


やや極低

や や 高

や や 強
や や 弱

二 倍 体
多 胚
直 立


かなり小
円 錐





やや極高
や や 多
極 低
やや極低
や や 高


や や 弱

二 倍 体
単 胚
直 立

や や 多

円 錐


や や 少


や や 高


や や 低
や や 低


や や 強

調査年次 平成9〜10年

2.「NK−210BR」の特記すべき特徴
てんさい親品種候補系統「NK-210BR」は北海道農業試験場において、多収性及び抽苔耐性に優れ、かつ雄性不稔種子親系統との高組合せ能力を目標に、ペアクロス法により育成した多胚二倍体の花粉親系統である。
「NK-210BR」の根重及び糖量は「モノホマレ」の花粉親系統である「NK-152」よりも多いが、根中糖分はやや劣る。褐斑病抵抗性及び根腐病抵抗性は「NK-152」並であるが、抽苔耐性は「NK-152」より強い。
「NK-210BR」の組合せ能力は根重において優れ、てんさい新品種候補系統「北海73号」の花粉親として、クラインワンツレーベン育種会社が育成した単胚二倍体雄性不稔系統「KMS-5」との組合せ能力が特に高い。
また、本系統を用いた「北海73号」の採種関連形質では、採種量及び発芽率において特に問題はない。

3.成果の活用面、留意点
 1)てんさい新品種候補系統「北海73号」の採種用花粉親及びその他優良一代雑種品種育成のための花粉親として使用する。
 2)本系統は、てんさいの一代雑種品種育成のための花粉親以外の目的には使用できない。
 3)採種栽培は、一般栽培品種の栽培法に準ずるが、母根養成、採種に当たっては褐斑病、じゃのめ病の防除を徹底する必要がある。