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標準培地の選定,標準培地中の抗菌物質の添加量の見直し,新たな抗菌物質の探索,標準培地の見直しと新たな抗菌物質の添加による検出培地の改良,改良したV. dahliaeの検出培地の有用性
(1) | 改良すべき標準培地として田村培地を選定した。田村培地では微小菌核を形成する典型的なV. dahliaeのコロニ−が生育したが、雑菌も多数生育した。雑菌の生育を抑制するように田村培地を改良する必要がある。 |
(2) | 標準培地中の抗菌物質の添加量を見直したところ、ブラストサイジンS乳剤の添加量は、従来の2倍がV. dahliaeの検出により適すると考えられた。 |
(3) | 32種の薬剤を検討した結果、カスガマイシン塩酸塩液剤(1000μl/l),硫黄水和剤F(500μl/l),ペンシクロン水和剤F(500μl/l)をそれぞれPDA培地に添加することにより、F. oxysporumの菌糸伸長がV. dahliaeよりもより強く阻害され、V. dahliaeの検出培地の改良に利用できると考えられた(表−1)。 |
(4) | 以上の結果に基づき標準培地の改良を行なったところ、PCNB水和剤とブラストサイジンS乳剤をそれぞれ標準培地の添加量の1/2と2倍に変え、これにさらにカスガマイシン塩酸塩液剤を1000μl/l添加したPPBK培地がV. dahliaeの検出培地として最も優れていた(表−2)。 |
(5) | V. dahliaeの検出培地として最も優れていたPPBK培地の組成は次のとおりである。 ○基本培地(ツァペック培地) 蒸留水1l当たり寒天15g,ショ糖7.5g,硝酸ナトリウム2g,塩化カリウム0.5g,硫酸マグネシウム0.5g,リン酸水素二カリウム1g,硫酸第一鉄10mg ○加用する抗菌物質 基本培地を溶解後45〜50℃に冷えたところで、1l当たり次の抗菌物質を添加する。 PCNB(75%)水和剤37.5mg,ストレプトマイシン硫酸塩100mg,ポリオキシン複合体(10%)水和剤500mg,ブラストサイジンS(1%)乳剤0.5ml,カスガマイシン塩酸塩(2.3%)液剤1ml,5gのエタノ−ルに溶かしたクロラムフェニコ−ル250mg |
(1) | 田村法を用いた土壌からのV. dahliaeの検出用培地として利用できる。 |
(1) | アンダ−センバ−ブルサンプラ−法や希釈平板法に適用可能な、より検出効率を高めたV. dahliaeの検出培地の開発 |