成績概要書 (作成平成12年1月)
研究課題名:アルストロメリアの品種特性Ⅱ (主要花きの品種特性調査) 予算区分:道費 担当科:花・野菜技術センター 花き第一科 研究期間:平成8年度〜11年度 協力・分担関係:なし |
1.目 的
アルストロメリア新品種(ハイブリッドタイプ)の特性を調査し、品種選定の資料とする。
2.方 法
(1)試験実施場所:花・野菜技術センターガラス温室
(2)試験規模:1区1.36㎡、8株、2区制(一部1区制)
(3)供試品種
(4)定植期:平成8年10月21日(ただし「レベッカ」、「アモール」は平成9年2月21日)
(5)栽植様式:ベンチ(幅80㎝、長さ340㎝、深さ29㎝)、条間40㎝、株間40㎝、2条植え
(6)施肥量:基肥 6.6−6.6−6.6㎏/a
追肥 OKF-1(15-8-17)500倍液、1リットル/株を7〜10日毎に施用(平成10年3月〜)
(7)加温条件:最低気温10℃に設定
(8)遮光:夏期は30分積算日射量20.0Kw/㎡以上で遮光(遮光率50%)
3.結果の概要
(1)総採花本数:試験期間を通した総採花本数が最も多かったのは「ピンクミネティ」であり、次が「ソレイユ」であった。最も少なかったのは「サビナ」であり、次が「マヤ」であった。「ピンクミネティ」は「サビナ」の約2.8倍の収量があった。
(2)月別採花傾向:試験期間を通して未採花期間のない品種は「ローマ」、「ピンクミネティ」、「ソレイユ」、「マルタ」、「シャンパン」、「イビザ」であった。そのうち規格品が通年採花できたのは「イビザ」のみであった。その他の品種は9〜10月に未採花となるものが多かった。秋期の収量が多かったのは「ソレイユ」、「イビザ」であり、冬期の収量が比較的多かったのは「ソレイユ」、「ピンクミネティ」、「ローマ」であった。
(3)年次別採花傾向:3カ年調査した3月から9月の採花本数を比較すると、ほとんどの品種で採花2年目は初年目より増収したが、「ネバダ」、「ピンクミネティ」、「イビザ」は2年目に減収した。採花2年目と3年目の比較では「ピンクミネティ」、「マヤ」が大きく増収した。
(4)切花品質:試験期間を通して規格品率が高かった品種は「マヤ」、「アモール」、「サビナ」、「アルパイン」であった。ブラスチングの発生は冬期に多く夏期に少なくなる傾向を示し、供試品種中では「ソレイユ」、「アモール」、「サビナ」が少なかった。
(5)ブラインド茎は秋から冬にかけて多く発生した。供試品種中では「ネバダ」が多く、「ソレイユ」が少なかった。
4.成果の活用面と留意点
本試験は秋〜冬定植、加温周年栽培条件下で実施されていることを考慮する。
5.残された問題点とその対応
新しいタイプ、品種の特性および地中冷却効果の調査。