成績概要書        (作成 平成13年1月)
課題の分類
研究課題名:とうもろこし(サイレージ用)「TH9623(モノポル)」       
試験場所名:北海道立北見,十勝,上川農試,農林水産省北海道農試

1. 来歴および試験経過
(1)来 歴   とうもろこし(サイレージ用)「TH9623(モノポル85)」は、ドイツのクラインワンツレーベン育種株式会社が育成した単交配(デント×フリント、構成系統 名は不明)の一代雑種である。1996年にOECD登録された。
(2) 導入および試験経過   平成8年にタキイ種苗株式会社が導入し、平成9年に場外予備検定試験を行った。平成10〜12年に、北見農試、十勝農試および上川農試において、とうもろこし(サイレージ用)品種選定本試験を行った。さらに、平成11〜12年に遠軽町、鹿追町、士別市において同現地試験を行った。また、農林水産省北海道農試において、 平成10、11年にすす紋病、平成11、12年にごま葉枯病に対する特性検定試験を行った。

2. 特 性(標準品種「ディア」(早生の晩))
(1) 熟 期   絹糸抽出期は「ディア」より1〜2日早い。収穫時熟度は「ディア」よりやや進む。総体の乾物率は「ディア」並である。熟期は「ディア」と同じ早生の晩に属する。
(2) 耐倒伏性   「ディア」並である。
(3) 発芽および初期生育   発芽期は「ディア」より1日早く、初期生育は「ディア」より勝る。
(4) 収量性および乾物特性   乾総重、推定TDN収量は「ディア」より多い。乾雌穂重割合は「ディア」よりやや高い。推定乾物中TDN割合は「ディア」並である。
(5) 形態特性   稈長は「ディア」よりやや高く、着雌穂高は「ディア」並である。
(6) 耐病性   すす紋病抵抗性は「ダイヘイゲン」および「ディア」よりやや強い。 ごま葉枯病抵抗性は「ダイヘイゲン」よりやや弱く、「ディアHT」より弱い。

3. 試験成績

注1) 北見、十勝、上川農試が平成10〜12年の3か年平均値、現地試験が平成11〜12年の2か年平均値である。
 2) 9:極良〜1:極不良による評点。平成10年は1:良〜5:不良の評点値から変換。
 3)折損も含む。
 4) 1:無〜9:甚による評点。平成10年は0:無〜5:甚の評点値から変換。
 5) 平成10年及び上川農試、士別市の平成11年は(100-不稔個体率)の値。

4.配布しうる種子量  20t。

5.普及対象地域及び普及見込面積
  十勝中部、網走内陸および道央北部地域。800ha。