成績概要書(2002年1月作成)
研究課題:露地直はん栽培における花きの生育、開花特性       
担当部署:花・野菜技術センター 研究部 花き科
協力分担:技術普及部
予算区分:事業 農園
研究期間:1998〜2001年度

1.目的
  花・野菜技術センターでは、花きの多様性を求める消費者、生産者の声に応える
ため、各種花きを収集、 その特性を調査している。本成績は種子草花について
露地直はん栽培における1年目の生育、開花特性を 明らかにして、景観、花壇用等、
道内での花き利用時の参考資料とする。
 
2.方法
 1)供試点数と試験・栽培条件
項  目 平成10年度 平成11年度   平成12年度  平成13年度
 供試数  148点    150点    89点    99点
 は種期 5月11日   5月17日   5月24日   5月21日
 畦 幅   90 ㎝   180 ㎝    180 ㎝   180 ㎝
  供試土壌  造成砂壌土
  施肥量等  N、P25、K2O−各1.5㎏/a、 堆肥200㎏/a
  試験規模  一区1.5〜2.5m(1条まき) 反復なし
  間引き等  株間は間引きにより成り行き、3〜10㎝程
  その他管理は当場慣行
 
3.成果の概要
 1)露地直はん栽培での、花きの生育、開花特性について調査を行い(196点)、
そのうち3〜4年調査 した78点についてその特性を示した。
 2)生育特性については、発芽始め、枯葉期、草丈等を、開花特性は、開花始め、
開花期、開花終わり、 花色について調査し特性を示した。
  ①発芽性 年度によりは種期が異なったので、発芽の早晩に差が見られた。
また、種類、品種によっても 発芽時期が異なった。早いものはは種後、10日前後で
発芽を認めたが、遅いものでは20日から1ヶ月以上も かかったものもあった。また、
複数年供試したが全く発芽をしなかった種類もあった。発芽の良否には降雨の
影響も大きく、は種直後に降雨のあった、平成10、11年は順調であったが、
降雨までに間のあった平成12、13年は 発芽が遅れ気味であった。
  ②開花性 開花始め、開花期、開花終わりは、年度、種類、品種による差が
大きかった。早いもので 6月末から開花が見られ、開花始めは、以後連続的に
8月から9月まで続いた。種類により年度差の大きい ものと、小さいものが認められた。
開花終わりの時期は、開花初めの遅速とはあまり関係なく、種類による 差が大きかった。
早いものは8月に終わるものもあった。
  ③枯葉期 花の観賞期間とは別に、茎葉が枯れた時期を調査したが、年度、種類、
品種の差が大きかった。 年度の差では、高温多雨の平成11年は多くの種類が、
枯葉期の時期が早かった。逆に平成10、13年は枯葉期が遅かった。
  ④花 色 花色は観察によって、それぞれの種類について調査した。花色の微妙な
差については、今回の調査 では検討しなかった。そのため大まかな花色の表示となった。
種類によっては、茎葉、実を観賞するものもあり、 それらについてはその色を示した。
  ⑤草 丈 草丈は年度、種類、品種による差が認められた。種類によっては、
年度による差の大きい ものもあり、は種時期、温度、土壌水分等条件によって
大きく影響を受けるものもあると考えられた。
 3)本成績は景観、花壇用等、直はん栽培で花きを栽培する場面での参考資料として
利用が可能である。
 


図 4年間調査花きの生育、開花特性(抜粋)

 
4.成果の活用面と留意点
1)道内での花きの利用場面において、それぞれ該当する種類について、
今回明らかにされた特性を参考に出来る。
2)本成績は、露地直はん栽培の結果であることを考慮する。
 
 
5.残された問題点とその対応
1)実際利用場面での用途別栽培法の検討。