成績概要書(2003年1月作成)
研究課題:たまねぎ用成型ポットの実用性(新農業資材の実用化)
担当部署:北見農試 研究部 畑作園芸科、花野技セ 研究部 野菜科
協力分担:
予算区分:受 託
研究期間:2002年度

1.目 的
  たまねぎ用成型ポット育苗箱(以下、みのる式成型ポットまたは成型ポットと略する)の実用性を検討する。

2.方 法
1)調査実施年次および場所
  平成14年 北見農業試験場、  平成14年 花・野菜技術センター
2)試験設計 ①みのる式成型ポット(たまねぎ用)
②みのる式成型ポット(水稲用) 
(1)北見農試:「スーパー北もみじ」・「さらり」、播種期3月15日、定植期5月15日 
         育苗 みのる成型ポットのたまねぎ用および水稲用の各2トレイ
         ほ場 みのる成型ポットのたまねぎ用および水稲用について、補植有と補植無の
             試験区を設定、一区 3.24㎡ 、2反復、乱塊法
         栽植密度;畦幅27㎝ 設定株間11.3㎝(3278株/a)
                みのる移植機により定植
(2)花・野菜技術センター:「スーパー北もみじ」、播種期3月13日、定植期5月10日
       育苗 みのる成型ポットのたまねぎ用および水稲用の各4トレイ  
       ほ場 みのる成型ポットのたまねぎ用および水稲用
           1区4m×4畦(中2畦調査)、4反復、乱塊法
       栽植密度;畦幅30・27cm交互 設定株間10.9cm(3219株/a)
               みのる移植機により定植、補植無

3.成果の概要
(1)発芽および苗生育
  たまねぎ用成型ポットは水稲用成型ポットと較べて発芽が斉一化し、また、成苗率が向上しており、苗生育も優った。たまねぎ用成型ポットは拡張されたスリット穴から地床への根の伸長が早く、発根が良好となるために地上部の生育が揃い、その後の生育量も向上したと考えられた。
(2)植付時の障害
  たまねぎ用成型ポットは成苗率が高く苗生育も優ることから、欠株等の植付時の障害が少なく、補植作業の省力化につながるものと考えられた。
(3)ほ場生育(補植無区)
  生育最盛期の生育量はポットの種類間に明らかな差は見られなかったものの、たまねぎ用成型ポットは概ね良好であり、倒伏期はやや早くなる傾向が認められた。補植有区も同様の傾向であった。
(4)収量性および球品質(補植無区)
  たまねぎ用成型ポットは水稲用成型ポットと較べて、平均一球重が向上する傾向にあった。また、規格内率も実用上問題のない割合であり規格内収量は向上した。補植有区も同様の傾向であった。
(5)実用性の判定
  下端スリット穴に拡張処理をした、たまねぎ用成型ポットを使用した育苗では、水稲用成型ポットに較べて、発芽の斉一化と成苗率の向上が確認された。
  以上のことから、たまねぎ用成型ポットは実用的である。

4.成果の活用面と留意点
 1)育苗は「たまねぎ移植機の性能(5)(OP-4)(昭和59年指導参考)」にて示された「成型ポット苗の栽培基準」およびメーカーマニュアルに準ずる。
 2)本試験では専用培土を用いた。

5.残された問題とその対応