成績概要書(2005年1月作成)
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課題分類:
研究課題:夏どり黄心系はくさいの品種特性
担当部署:上川農試 研究部 畑作園芸科
担当者名:
協力分担:
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:2003〜2004年度(平成15〜16年度)
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1.目的
 夏どりはくさいの安定生産に向け、育苗期間に低温、生育期間に夏季の高温に遭遇する晩春まき作型における黄心系はくさいの品種特性を調査し、産地における品種選択の資料を提供する。

2.方法
1)作型、標準品種及び重要特性


2)耕種概要


3.成果の概要
1)総合評価が標準品種と同等以上の品種・系統における特性の要約(標準品種との比較)
W-1106(強黄) 生育日数は同等であった。本作型において抽たいの危険は少ないと考えられた。軟腐病の発生は同程度〜やや少ない傾向であった。心腐れ症の発生は同程度で少なく、縁腐れ症は多発生した場合でも発生が少なかった。ゴマ症の発生も同程度〜やや少なかった。「優黄」が低収の場合にも多収で、「優黄」が多収の場合には同等以上の収量を示した。規格内一球重は同等で、心色は濃い傾向であった。
CR清雅65 生育日数は約3日短く、抽たい性は同程度と考えられた。軟腐病の発生は同程度〜やや少ない傾向であった。心腐れ症の発生は同程度で少なく、縁腐れ症は多発生した場合でも発生が極少なかった。ゴマ症の発生は同程度であった。「優黄」が低収の場合にも極多収で、「優黄」が多収の場合には同等の収量を示した。規格内一球重は同等で、心色は濃い傾向であった。
サンビーチ 生育日数は同等〜やや短かった。高温年に生育が早くなり、小玉化する傾向が認められた。抽たいがやや早いと考えられた。軟腐病の発生は同程度であった。心腐れ症、縁腐れ症の発生はほとんど認められず、ゴマ症の発生も極少ないことが多かった。「優黄」が低収の場合にも多収であり、「優黄」が多収の場合にはほぼ同等の収量を示した。心色は同等〜やや濃かった。
CR早春 生育日数は同等〜やや短かった。抽たい性は同程度〜やや早い可能性がある。軟腐病の発生は同程度〜やや少ない傾向であった。心腐れ症、縁腐れ症の発生はほとんど認められず、ゴマ症の発生も極少ないことが多かった。「優黄」が低収の場合にも極多収であり、「優黄」が多収の場合には同等の収量を示した。規格内一球重はほぼ同等であったが、やや小玉化する事例があった。心色は「優黄」と同等〜やや濃かった。
2)標準品種を含む6品種・系統の加工適性を評価し、その結果を表3に示した。

4.成果の活用面と留意点
1)はくさい産地における品種選択時の資料となる。

5.残された問題とその対応
1)夏どりはくさいの安定生産に向けた生理障害の発生を軽減する栽培技術の検討
2)軟腐病及び生理障害の発生がより少ない新品種・系統の検討