「シロクローバ「リースリング」(普及推進事項)   
北海道農業研究センター作物開発部マメ科牧草育種研究室
執筆担当者 奥村 健治
         廣井 清貞
         磯部 祥子

 シロクローバ「リースリング」はクローバ菌核の発生が少なく、年次の経過に伴うクローバ率の低下程度が小さく、永続性が高い。中葉型であるが大葉型と同様にオーチャードグラスとの混播に向く。

1 試験目的
 海外導入シロクロ-バ品種の特性を各地域で評価し、北海道優良品種の選定に資する。

2 試験方法
品種名:リースリング(Riesling)
育成者:Cebeco Seeds(オランダ)
導入者:ホクレン農業協同組合連合会
登録:OECD(1996年)
試験:オーチャードグラス(OG)「ハルジマン」との混播試験、刈取り回数は年2〜4回、根釧農試では単播試験も実施。

3 試験成績
(標準品種「カリフォルニアラジノ」との比較)
 1)形態特性:小葉長、草丈ともに標準品種より小さく、タイプは「中葉型」。
 2)越冬性:標準品種並み。
 3)耐病性:クローバ菌核病の発生が少ない。
 4)収量性:2、3年目のOGとの合計年平均乾物収量、WC収量ともに標準品種並みである。
 5)競合力:クローバ被度は標準品種よりやや低いが、クローバ率は同程度で競合力は標準品種並みである。
 6)永続性:年次の経過に伴うクローバ率の低下の程度が小さく、永続性は高い。

写真 3年目混播1番草の刈取後の再生(左:新優良品種「リースリング」、右:標準品種「カリフォルニアラジノ」

5.普及指導上の注意事項
 1)普及対象地域:北海道一円
 2)普及見込面積:1000ha
 3)配布しうる種子量:2t
 4)「中葉型」であるが「大葉型」と同様にオーチャードグラスとの混播に向く。