【普及上の参考事項】
果樹園に於ける被覆作物の混播試験
種芸部 |
果樹園の土壌管理上敷草の効果が大きいことは既に広く知られていることである。この試験は敷草の材料を果樹園の間作によって求める場合を想定し、普通の圃場に於いてヨシズを以て果樹園の樹陰と同じような環境をつくり、これに敷草材料としての荳科並に禾本科牧草を栽培し、その収量を検討したものである。
1. 試験の結果を要約すると
(1) 荳科作物として蔓性のものを選ぶ場合、燕麦とコンモンベツチとの混作が最も多くの生草収量が期待される。
(2) 両作物の混播割合と生草平均収量を30年度の成績によって示すと
処理 混播率 |
露地 | 被覆 | 平均 | 備考 |
ベツチ1:燕麦1 | 516.27 | 623.20 | 569.74 | 反当播種 |
3:1 | 431.53 | 523.47 | 477.50 | 量 7升 |
5:1 | 345.46 | 551.93 | 448.67 | |
平均 | 431.07 | 566.20 | 498.64 |
2. 備考
この試験は草生栽培に対しても、一つの参考と考えられるが、草生栽培に当たって選ぶべき草の種類は単に草の収量に捕らわれることなく、栽培の便否、養水分の果樹と草との競奪等を考え、その妥協的結論として何が最も適する草種であるかを決める要がある。