【普及奨励すべき事項】

笹地における牧草導入法とその効果について

北海道農業試験場畜産部牧野研究室

 

 本道には現在38万町歩の自然草地を有するが、その内20万町歩は笹類をもっておおわれている。笹類は往年の馬産上大きな貢献をもたらしたとはいえ、絶えざる掠奪的終年放牧の連続と近年笹類の集団的開花、枯凋現象によりその衰退の度が強く、他方高度集約的な酪農への推進が要請されているので、遂次笹地の牧草地化が行われている現況である。
 また、戦後広大な未利用地を有する本道は漸次農地開拓が進められているが、開拓可能地186万町歩の内70~80%がまだ笹地であるといわれ、農地開発にともなってその先駆作物として、牧草のもっとも合理的な導入方法の研究が要望されているので、これについて次の各種の試験が施行された。

 1. 笹地の前処理~障害物除去、笹の刈払い、火入
 2. 笹の再生防除~笹枯殺剤(クロレートソーダ)撒布、笹根掻集
 3. 播種床の造成~完全耕起法および簡易砕土法による整地
 4. 牧草の生育促進~適切な追肥、管理
 5. 造成草地の放牧効果~若牛、成牛による放牧利用