【普及奨励すべき事項】
てん菜合成品種SY-B並にSY-Cについて
北海道農業試験場 作物部てん菜研究室 |
SY-B
Ⅰ 来歴
本育192号、同398号、同48号、本第13088XNMなどの中から優良個体を選抜し2~4世代にわたって自殖し、その特性の優れた系統群の組合せによる交雑集団である。
Ⅱ 特性
本育192号に以ていて草丈はやや高く葉姿は直立型で色濃く、縮れは中、熟期は中生、耐病性は本育192号よりやや強い。根形は円錐形で露肩は少なく、分岐根も少ない方である。
菜根重は北見支場を除き各条とも本育192号よりも優れ根中糖分も本育192号よりやや高く、したがって可製糖量も優っている。
Ⅲ 栽培
生育期間が長いほど、菜根重、根中糖分が増加するから、早まきなどによって、生育日数の延長をはかることが必要である。根釧地方を除く従来の本育192号の栽培地帯に適する。
施肥や防除も本育192号に準ずればよい。
SY-C
Ⅰ 来歴
導入2号から自殖一回系統と母系系統の特性を検定し、優良な系統を選抜して、これらの系統群の集団での交雑採種されたものである。
Ⅱ 特性
導入2号の特性をこう進したものといえるもので草丈は高く、葉姿は直立型で色濃く縮れは中熟期は晩生、耐病性は強いが導入2号よりやや劣っている。根形は長円錐形で、露肩少な
く、分枝はやや多い。菜根重は北見支場では、やや変動が認められ根室支場ではやや劣るが、全般的には導入2号より、優り、根中糖分は導入2号と、ほとんど同じであるから可製糖
量は北見、根室の両支場を除き導入2号に優っている。
Ⅲ 栽培
生育期間が長いほど、菜根重、可製糖量が増加することはSY-Bの場合と同様である。導入2号の栽培地帯に適する。施肥、防除とも大体導入2号に準ずればよいが道南では防除に
注意が必要である。