【指導奨励事項】

1.　来歴
　「玉蜀黍ゴールデン・ビユーテイー」はスイート種に属する単交配一代雑種で、当試験場において昭和33年よりほかの組合せ系統とともに比較試験を行なった結果、極早熟種として品質収量ともに有望と認めた。昭和35年、育成者である米国マサチユーセツツ大学のWelliam　H.　Lachman教授より、その両親自殖系統の分譲を受け、組合せ交配を行ない「輸入品種ゴールデン、ビユーテイー」との比較検討と、さらに北海道立農業試験場一部支場に配布して、その適応性をも併せて検討した。組合せ内容はそぎの通りである。
　「玉蜀黍ゴールデン・ビユーテイー」　C13×Ma　21547-1-1
　なお本品種は、1955年に育成され、その優秀なことより“All-America　Selections　Committee”より「Silrer　Meadl」の表彰を受けたもので、同品種の本道における増殖採種については、1961年同教授の了解をえたものである。
2.　特性概要
　「玉蜀黍ゴールデン・ビユーテイー」は、極早熟種に属し、粒は黄色のスイート種で、絹糸抽出期では、対照品種「ゴールデン・バンタム」と比較して7日前後早く、優良品種である「ゴールデン・クロス・バンタム」より2週間前後早い。
　草型は対照品種「ゴールデン・バンタム」より短稈（130㎝内外）で分けつは少く、耐倒伏性はある。
　雌穂は円筒型、粒列は10～14行、着生は良好でかつ大きく、生食適期における経済穂重はおおむね4割前後の増収率を示す。
　品質は極早生種としては、きわめて良好で食味もよい。（なお、米国マサチユーセツツ州農試では苞皮の特性より鳥害、虫害に強いBacterial　Wilt　Northernleaf　blightに抵抗性を有するとしている）
3.　奨励態度
　「玉蜀黍ゴールデン・ビユーテイー」は早期の生食用または缶詰加工用として有効積算気温900℃以下であれば全道的に栽培可能である。
4.　栽培上の注意
　「玉蜀黍ゴールデン・ビユーテイー」は一代雑種であるので、自家採種は不向で毎年種子を更新する必要がある。また、極早生の短稈種であるので栽植本数は慣行より密植にしてよく、10アール当り5～6,000本が適当である。
　その他の管理は普通とうもろこしに準じて差支えない。
5.　試験成績
　(1)　特生及び生育調査成績　

　註
　　1.　七夕早生（極早生）イエロースイート（早生）としてなれも北海道立農試育生の一代雑種ある
　　2.　食味は最高5、最低1とした場合の10人前後の試食点平均である。

　(2)　収量調査成績

　註　経済雌穂重とは“Mkbl.　Ear　Wt”即ち市場価値のある苞皮を除いた生雌穂重のことである。

6.　配布先における試験成績
　(1)　試験場における成績

　註
　　G.Be.…ゴールデン・ビユーテイーの略
　　G.C.B.…ゴールデン・クロス・バンタムの略