カルチタイン付き有材心土改良耕による堅密固結性畑土壌の土層改良
【 要約 】 カルチタイン付き有材心土改耕プラウでバーク堆肥10〜20t/10a施用する土層改良は堅密固結性の畑土壌(細粒褐色森林土)に対して有効である。
北海道立中央農業試験場・農業土木部・生産基盤科
北海道立上川農業試験場・研究部・土壌肥料科 		連絡先 01238-9-2001(286)
0166-85-2200
部会名 生産環境 専門 農地整備 対象 農業工学 分類 指導

【 背景・ねらい 】
　上川中・南部に堅密で特に心土の物理性が悪い細粒褐色森林土が分布する。従来この土壌の改良はパンブレーカーによる心土破砕であるが持続性が不十分である。そこで、有機物を利用したカルチタイン付き有材心土改良耕プラウによる心土改良の効果を検討する。

【 成果の内容・特徴 】

  1. カルチタイン付き有材心土改良耕プラウは作土直下の堅密土層を破砕し、バーク堆肥が層状に施用され易有効水容量など物理性が改善される(表1)。
  2. バーク堆肥の投入量は粗孔隙と容積重の目標値を達成・維持するため10〜20t/10aが妥当である(図2)。
  3. 施工により心土の保水性の向上が認められたが、排水効果は従来のオプナー付き工法より低い。
  4. 本工法の施工時の土壌水分条件はpF3.0(含水比20%)程度が適当である。
  5. 改良により根圏域は拡大し根活性が向上した。また、畑作物に対する収量及び品質向上効果が認められた。特に、秋まき小麦、バレイショ、ビートでその効果は大きかった(表2)。

【 成果の活用面・留意点 】

  1. 普及地帯は作土の物理改善が済んでおり、心土が堅密であるが透水性の良い地帯(褐色　森林土・淡色黒ボク土など)に適用できる。
  2. 施工はカルチタイン付き有材心土改良耕施工機を使用し、改良資材はバーク堆肥を使用する。
平成8年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名：堅密固結性土壌に対する有材心土改良耕法の確立(追補)(指導参考)

【 具体的データ 】

表1　施工後の改良土層の物理性
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　　　　　　　　　　　　　容積重　　　三層分布(%)　　孔隙率　易有効　土壌
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ----------------　　　　　水容量　硬度
　　　　　　　　　　　　(g/100ml)　固相　液相　気相　　(%)　　　(%)　(mm)
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原土区心土　　　　　　　　 152.0　 60.3　37.8　 1.9　　39.7　　5.2　　30
バーク堆肥10t/10a区改良層　139.0　 43.5　44.9　11.6　　56.5　　8.6　　14
バーク堆肥20t/10a区改良層　115.1　 42.3　39.7　18.0　　57.7　 10.6　　15
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【 その他 】

研究課題名：堅密固結性土壌に対する有材心土改良耕法の確立
予算区分：道費
研究期間：平成8年度(平成3〜8年)
研究担当者：北川巌・横井義雄・後藤英次
発表論文等：なし

　　　　　　　 「平成9年度普及奨励ならびに指導参考事項」　P.251