病害虫に関する調査・試験を行い、これらの被害を効率的に抑制する防除方法の開発を目指しています。

調査・試験の概要

1.　病害虫発生予察調査
   Forecasting outbreak of plant diseases and insect pests

6作物、16病害虫の定期的な発生調査を行い、気象等の発生要因の解析により、病害虫発生予測の情報提供を行っています。

(病害虫防除所のHPはhttp://www.agri.hro.or.jp/boujosho/index.html)

2.　病害虫診断試験
    Diagnosis of plant diseases and insects

外部から持ち込まれる病害虫や被害作物の診断を行い、新発生病害虫の早期発見などに成果を挙げています。




トウキの コウノフタオアブラムシ	たまねぎの立枯病	ジャガイモの紅色斑点病 （円の内側）

3.　各試験課題
  

        現在、次のような試験課題に取り組んでいます。

 

オホーツク地方におけるでん粉原料用馬鈴しょの早期枯凋症状の原因解明と被害軽減対策の検討

オホーツク地方では、平成11年頃から、でん粉原料用馬鈴しょの茎葉が、本来の熟期よりも3週間程度早く黄化し、枯凋に至る現象が顕著となっています。本課題では、当該地域で顕著となっているこの症状と、ジャガイモ半身萎凋病および植物寄生性線虫との関わりを明らかにします。




ジャガイモシロシストセンチュウの再発生を防ぐ総合対策技術の開発

ジャガイモシロシストセンチュウは平成27年に日本国内での発生が初めて確認されました。本課題では、農薬、抵抗性品種、対抗植物などの 各種対策について、防除効果の検証試験を実施しています。

　　　　　　　　　インファロー散布を活用した馬鈴しょ害虫の防除法の確立

近年、ばれいしょの防除法の一つとしてヨーロッパでは広く利用されているインファロー散布が注目されています。この技術は、植付けと同時に薬剤の希釈液を散布するので、防除にかかる作業労働時間の削減が期待出来ます。そのため、本課題ではインファロー散布によるばれいしょ主要害虫に対する防除効果を明らかにし、省力的かつ安定栽培が可能な防除法を目指します。







4.　近年の成果
  


           最近の技術開発成果です。



令和2年	てんさい直播栽培における黒根病の防除対策 移植たまねぎの早期立枯症状の原因と耕種的対策 ジャガイモシロシストセンチュウの緊急防除対策技術
平成30年	たまねぎの小菌核病に対する効率的防除対策 カップ検定法によるジャガイモシストセンチュウ抵抗性判定基準の設定
平成29年	てんさいの褐斑病の多発傾向に対応した薬剤防除対策
平成28年	ジャガイモシストセンチュウ発生圃場における密度推定のための省力的な土壌サンプリング法 たまねぎの灰色腐敗病に対する多発回避のための効率的防除対策
平成27年	たまねぎのべと病に対する防除対策
平成26年	小麦の雪腐黒色小粒菌核病および雪腐大粒菌核病に対する殺菌剤の残効性と防除時期
平成25年	たまねぎの紅色根腐病に対する品種の抵抗性評価と灌水処理の効果







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