農業研究本部へ

酪農試験場

H13_kenkyu_p19_syoukai

根釧農試 研究通信 第11号 2002年3月

新しく始まる研究課題の紹介


 

● 地域資源を活用した北海道新乳牛使用法の確立(平成14~17年)

自給飼料および農業副産物を100%活用した北海道独自の生乳生産方法を確立します。内容は、①高栄養自給飼料の生産技術の確立、②農産副産物を活用した新飼料の開発、③自給飼料主体の乳牛飼養法の開発、④現地実証です。


 

● 寒冷寡照地帯向けシロクローバ品種育成のための現地選抜試験(平成14~17年)

地理的条件の厳しい根釧に適応した新品種の育成を促進するため、経年化した採草地での理想的なマメ科率の確保をめざし、小~中葉型シロクローバ系統を材料に越冬性や収量性、混播適性を当地の気象条件下で評価し選抜します。


 

● 道東土壌凍結地帯向け低コスト草地改良試験(平成14~17年)

経年化や地下茎型雑草の侵入によって牧草収量は停滞しています。ここでは、簡易で低コストな播種床造成法=具体的には、前植生の状態別に様々な作業体系の効果を検討し、さまざまな場面に応用できるマニュアルを作成します。


 

● 乳牛の生体情報活用による発情発見システムの開発(平成14~16年)

フリーストールにおいて乳牛の活動量など生体情報をモニタリングすることにより発情を的確に発見できるシステムを開発します。内容は、①乳牛行動の頻回収集による発情検出法、②生殖器モニタリングによる発情鑑定技術、③乳牛発情発見システムの開発です。


 

● 家畜ふん尿処置技術を応用したヒトデ処理技術の確立(平成14年)

根室管内ではホタテ貝漁業を中心に毎年6千トン以上のヒトデが駆除されていますが、処理コストの増加や将来のヒトデ受け入れ拒否が懸念されています。そこで、家畜ふん尿処理技術を応用して、低コストで環境汚染のないヒトデ処理技術を確立します。


 

● ホイール型トレンチャ利用による低コスト暗渠施工技術の確立(平成14~15年)

暗渠排水は持続的な排水が確保されなかったり、施工費が問題になっていましたが、火山れきやホタテ貝殻など安く入手できる材料を利用する暗渠施工機が開発されました。そこで、機械の性能と施工後の排水効果を検討します。


 

● 減圧乾燥機を利用した有機性廃棄物の乾燥処理技術の確立(平成14~15年)

家畜ふん尿を堆肥化するためにはオガクズなどで水分を低下させていました。ここでは、減圧乾燥機を用いてふん尿を効率的に乾燥させ堆肥化する方法を運転コストも含めて検討します。また、製造粕類での適応性も検討します。


 

● 子牛の哺育育成部門専門分化による初産分娩までの育成機関短縮をめざした地域預託システムの確立(平成14~18年)

自動哺乳装置を使って初産分娩月齢が確実に24ヶ月までに短縮される集団哺育育成の一環飼養技術を確立します。また、この技術を利用して分娩後、ただちに子牛を預けられる地域預託システムの組織運営モデルを示します。

研究通信に戻る根釧農試TOPへ