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畜産試験場

平成24年度研究成果


平成24年度北海道農業試験会議(成績会議)畜産部会提出課題 
畜産試験場関係


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課題名 判定 成績の要約
ハマナスW2とデュロック系統豚を用いた交雑肉豚の産肉能力および発育特性 指導参考 ハマナスW2 とデュロック系統豚ゼンノーD02 を用いた三元交雑肉豚(WLD02)は、従来系統の組合せに比べ、採食量が多く日増体重が高いが、飼料効率に優れており、生産成績の性差が小さい。WLD02 の発育と背脂肪蓄積の関係を明らかにし、背脂肪厚が適切な範囲となる肥育期の飼料給与量および日増体重を示した。
LAMP 蛍光判定法によるヨーネ菌の同定 指導参考 ヨーネ菌特異的で反応時間の短いLAMP 用プライマーセットを選定し、ヨーネ菌分離培養法において培地上に発現した細菌コロニーを蛍光目視により判定できる方法を開発した。本法は、これまでと比べて簡便、迅速かつ高額な機器を必要としないヨーネ菌同定法として活用できる。
肥育期にイアコーンサイレージを給与した黒毛和種去勢牛の飼料摂取量、血液成分および枝肉成績 研究参考 配合飼料の一部をイアコーンサイレージ(ECS)に置き換えた場合に、肥育中期に乾物摂取量の低下がみられ、その主要因はECS 由来のデンプンにあると考えられた。ECS のデンプン等を考慮して飼料設計を行うことで、ECS は黒毛和種去勢牛の肥育期の国産濃厚飼料として利用可能と考えられた。
黒毛和種種雄牛「北平安」家系における脂肪交雑に関連するQTL 解析 研究参考 道内で広く利用されている黒毛和種種雄牛「北平安」産子去勢肥育牛の枝肉成績と枝肉断面の画像解析データを用いた3K チップによる1 次解析で4 つの染色体上に脂肪交雑関連QTL を検出した。2 次解析でその中の2 つのQTL にBMS No.、ロース脂肪割合等のマイクロサテライトDNA マーカー候補が選定され、DNA マーカーアシスト選抜の可能性が示唆された。
乳房内注入による牛白血病ウイルスの感染 研究参考 乾乳牛の乳頭槽内に牛白血病ウイルス(BLV)を遺伝子量として43 コピー/1 回注入することにより3 頭中2 頭が感染した。また、泌乳牛でも2.4×10⁴コピー/3 回の乳頭槽内注入により1 頭が感染した。このことから、BLV の乳房内侵入による感染の危険性を明らかにした。
育成牛を用いたネオスポラ実験感染に対するリポソームワクチンの効果 研究参考 ネオスポラ抗原を封入したリポソームワクチンを育成牛に4 週間隔で2 回接種すると、血清中ネオスポラ特異抗体の産生とネオスポラ特異的リンパ球応答が誘導され、ネオスポラ実験
感染初期の血清中IFN-γ 濃度の上昇が抑制されるとともに脳内ネオスポラ数が減少し、本ワクチンの有効性が示された。
試験管内増幅法を用いたBSE 発症牛の唾液からのプリオン高感度検出技術 研究参考 試験管内増幅法の感度は検体のリンタングステン酸Na による濃縮で高まり、唾液中に異常プリオン蛋白質(PrPSc)が極微量存在すれば検出できる。また特異性は高く、類似疾病
の鑑別法として有用であることが示唆された。BSE 発症前の唾液にPrPScは含まれず、唾液による発症前診断は困難であると考えられた。
アカクローバ新品種候補「アンジュ」(北海17号) 普及奨励 「北海17 号」は国内育成では初めてとなる晩生系統で、刈取適期幅の拡大により近年急速に栽培面積を伸ばしているチモシー中生品種との混播適性が高く、耐寒性等にも優れることから、北海道内の高品質粗飼料の生産に貢献する。
とうもろこし(サイレージ用)「ソリードAnjou227(HE91003)」 普及奨励 とうもろこしサイレージは高栄養自給粗飼料として高く評価されており、輸入穀物価格高騰の情勢から、その重要性が増している。良質なサイレージ原料を確保するためには、各栽培地帯において安定した生産性を発揮できる優良品種を選定することが重要である。「ソリード」の早晩性は“早生の早”に属し、収量性に優れ、すす紋病に強く、安定栽培が可能である。
とうもろこし(サイレージ用)「KD254(KE8301)」 普及奨励 とうもろこしサイレージは高栄養自給飼料として高く評価されている。良質なサイレージ原料を確保するためには、各栽培地帯において安定した生産性を発揮できる優良品種を選定することが重要である「KD254」は多収。 ですす紋病抵抗性、耐倒伏性にやや優れることから、対象地域での安定栽培が可能と考えられる。