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畜産試験場

平成26年度研究成果


平成26年度北海道農業試験会議(成績会議)畜産部会提出課題 
畜産試験場関係


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課題名 判定 成績の要約
黒毛和種去勢肥育牛への破砕玄米およびとうもろこしサイレージ給与技術 指導参考 とうもろこしサイレージを主体とした黒毛和種去勢牛肥育において、慣行の濃厚飼料多給肥育と遜色ない肥育成績が得られる破砕玄米給与技術を確立した。破砕玄米混合割合の上
限は、分離給与の場合濃厚飼料中40%、混合飼料給与の場合混合飼料中30%であることを示した。この場合、TDN自給率は60%以上となる。
近赤外測定装置による牛枝肉オレイン酸含量の推定および道内黒毛和種における実態 指導参考 十勝枝肉市場において近赤外測定装置により牛枝肉オレイン酸含量を推定する検量線を作成し、道内黒毛和種のオレイン酸含量の平均が56%と高水準であることを明らかにした。オレイン酸含量は遺伝率が高く遺伝的改良が可能であるが、皮下脂肪厚と正の遺伝相関も存在することから、改良に際しては慎重に扱うべき形質である。
牧草サイレージ1 番草の繊維消化速度を考慮した泌乳牛の飼料設計 指導参考 牧草サイレージ1 番草の中性デタージェント繊維(NDF)の消化速度と泌乳牛の乾物およびNDF 摂取量の関係を明らかにするとともに、粗タンパク質および低消化性繊維含量からNDF 消化速度を推定する式を提示した。NDF 消化速度を考慮することにより、牧草サイレージ割合を高めた飼料設計が可能となる。
黒毛和種去勢牛の育成期における牧草サイレージ給与技術 普及推進 黒毛和種去勢牛の育成期において、乾草給与体系と遜色ない発育および産肉成績を示す牧草サイレージ(GS)給与技術を確立した。GSの給与開始は4か月齢から可能であること、飼料乾物中CP含量は16%で良いこと、軟便に伴う発育低下や体型悪化、肥育時のビタミンAコントロールに対する悪影響は見られないことを示した。
オーチャードグラス 新品種候補「 北海 30 号」 普及奨励 「北海30 号」は、早晩性が中生の晩で、「ハルジマン」よりやや多収である。WSC 含量は「ハルジマン」より3ポイント高く、サイレージ発酵品質が向上しており、TDN収量は「ハルジマン」より多い。越冬性は全道で安定しており、主要病害であるすじ葉枯病に対する耐病性は「ハルジマン」より優れる。「北海30 号」は、飼料品質が改良されていることから、北海道における自給飼料の高品質化と安定生産に貢献できる。「ハルジマン」と置き換えて、普及を図る。
アカクローバー「SW Torun」 普及奨励 「SW Torun」は混播収量が標準品種より高く、越冬性がやや優れる晩生品種であり、近年栽培面積の増えているチモシー中生品種との混播に適しており、道内の高品質粗飼料生産に貢献することが期待できる。