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畜産試験場

平成17年度研究成果

平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)畜産部会提出課題

畜産試験場関係

課題名 判定 セールスポイント 成績の要約
画像解析を用いた牛枝肉品質計測システムの開発 指導
参考
開発された牛枝肉品質計測システムは、客観的で精細な肉質情報を得ることができる。 枝肉横断面撮影装置と画像解析ソフトウエアからなる牛枝肉品質計測システムを開発し、その肉質情報をフィードバックする体制を試験運用している。これらは育種改良や肥育牛生産の現場等において品質や技術向上の有効な手段となる。
黒毛和種母牛の栄養管理と人工哺育子牛の発育改善 指導
参考
哺乳時における母牛および子牛の栄養管理(飼料増給効果)について提示している。 自然哺乳の場合、乳量5kg分の飼料増給を分娩後の母牛に行うことによって、産後の急激な体重減少を回避できた。しかし、子牛へのプラスの効果は見られなかった。人工哺乳では自動哺乳子牛の代用乳給与量を4lから6lへ増給することにより子牛の発育が向上した。
飼育期間の短縮可能な改良型高品質肉用鶏「北海地鶏Ⅱ」 普及
推進
「北海地鶏Ⅱ」は、「北海地鶏」の肉質を継承し、発育向上により飼育期間短縮を図った改良型高品質肉用鶏である。 「北海地鶏」の基礎鶏であるシャモの中型系統を大型系統に置き換えることにより、肉質を継承し、発育の向上した改良型高品質肉用鶏「北海地鶏Ⅱ」を作出した。これにより飼育期間が短縮でき、生産効率の向上に寄与できる。
黄色ブドウ球菌性牛乳房炎に対するワクチンの免疫効果 研究
参考
黄色ブドウ球菌(SA)の毒素及びきょう膜をワクチン抗原とした場合の免疫効果を示している。 SAの無毒化変異毒素あるいはきょう膜の免疫により血清・乳清中の抗体価(IgG1)が上昇した。しかし、SA感染後の乳中菌数および体細胞数の低減効果は認められなかった。
牛培養細胞を用いた遺伝子修復のための基礎技術 研究
参考
遺伝子修復に必須である培養細胞への遺伝子導入技術を確立している。 活性型デンドリマー形成試薬を用いた牛培養細胞への遺伝子導入率は30-50%である。ネオマイシン(800μg/ml)添加により遺伝子導入細胞の選択が可能である。遺伝子導入細胞を用いた核移植胚は、高い割合で導入遺伝子を発現する。
高感度で簡便な異常プリオン蛋白質検出法 研究
参考
磁性粒子を用いた生物発光(BL)法は、現行のBSE検査キットより高感度でかつ短時間に異常プリオン蛋白質を検出できる。 磁性粒子BL法により、BSE感染脳から異常プリオン蛋白質を検出した。現行のBSE検査キットより高感度であり、検査に必要な時間は約2/3であった。
飼料用とうもろこしの破砕処理効果と簡易耕栽培 普及
推進
とうもろこしの熟期別破砕処理条件を明らかにし、簡易耕栽培の収量を前作別に示している。 とうもろこしサイレージ(CS)の切断長は、熟期にかかわらず19mm、破砕処理は糊熟期では必要なく、黄熟期のローラ幅5mm、完熟期3mmが適切である。CS多給により高自給率で高い乳生産が得られる。簡易耕栽培は慣行法と比べて収量が同等かやや低いが省力的である。
乳牛のストレス評価指標の作成と飼養管理への応用 指導
参考
血液、尿および唾液のコルチゾル濃度は、乳牛のストレス評価指標として有効である。 血液、尿および唾液コルチゾル濃度は、乳牛のストレス評価指標として有効である。温湿度指数80を超える暑熱環境下で、搾乳待機室に長時間拘束した場合には、乳量および乾物摂取量は低下する。
牧草のヒートダメージが軽種馬の消化性に及ぼす影響 指導
参考
軽種馬向け仮巻き乾草調製時には品温を60℃以下にすることが重要である。 60℃加熱処理乾草の消化率は非加熱のものと比較してNDFの消化性向上が認められたが、TDNは差がなかった。80℃加熱処理乾草の消化率は60℃のものと比較して繊維画分および非繊維性炭水化物の消化率およびTDNが低くなる。軽種馬生産農家が行っている「仮巻き」という乾草調製過程では消化率の低下を伴うほどのヒートダメージは起きていない。
牧草サイレージ排汁の発生量と草地への施用 指導
参考
バンカーサイロの牧草サイレージから発生する排汁の量と性状、草地への施用方法を提示している。 バンカーサイロの牧草サイレージ排汁は原料草水分67%~83%で0~162L/原料草t発生し、pHが低く、BODが高い。排汁は肥料効果があり、接触障害やカリの施肥標準から、2番草への施用は原液で1t/10a程度が上限である。