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畜産試験場

飼料用とうもろこし早晩性の新しい表示法「北海道統一RM」

 

そもそもRMとは、Relative Maturity(相対熟度)の略で、とうもろこしの早晩性を表す数値として、アメリカを中心に使われています。しかし、従来の「RM」は種苗会社ごとに決め方が異なるため、異なる会社が販売している品種を横並びに比較することはできません。 「北海道統一RM」は、平成29年に北海道立総合研究機構の畜産試験場、酪農試験場、北見農業試験場らの研究チームが開発しました。これは、とうもろこしの収穫適期である黄熟期を北海道内の気象条件で推定し、指標化したものです。ちなみに黄熟期とは、子実にデンプンが蓄積し、植物体全体の水分が低下する時期のことです。収穫適期を表すのに、雌穂と茎葉とを合わせた植物総体の乾物率が30%に達した日を用いたのが「北海道統一RM(総体)」、雌穂の乾物率が50%に達した日を用いたのが「北海道統一RM(雌穂)」です。最新の北海道優良品種では「北海道統一RM」が計算され、種苗メーカーのカタログなどを通じて公表されることになっています。  

   

種類

基準

北海道統一RM(総体)

総体乾物率30%になるまでの早さ

北海道統一RM(雌穂)

雌穂乾物率50%になるまでの早さ

 

どうやって決めたの?

 「北海道統一RM」の値を付けるにあたっては、これまでに最も普及している品種の一つである「チベリウス」を基準としました。この品種では、従来の「RM」が「85」とされていました。そこで、「北海道統一RM」も、「チベリウス」では「85」と定め、それより収穫適期日が5日早い品種は「80」、4日遅い品種は「89」のように「北海道統一RM」を決めました。

     北海道統一RMの決め方の画像


何ができるの?(収穫適期予測システムのご紹介)

 「北海道統一RM」を作る時に作成した、収穫適期を予測する計算式を応用することで、道内の任意の地点で、任意の品種がその年にいつ収穫適期を迎えるかを予測することができます。これを一般のパソコンなどで簡単に使えるようにしたのが「収穫適期予測システム」です(平成31年北海道農業試験会議指導参考事項)。 このシステムを使うには、インターネットにつながる環境と、マイクロソフト社の表計算ソフト「エクセル」が必要です。画面の指示に従い、品種熟期、播種年月日などを入力、さらに地図で圃場を選ぶと、その地点での、収穫適期日が表示されます。さらに、その地点の降雨予報も表示されるようになっています。表示される収穫期はあくまで予測なので、実際には随時、圃場での確認を行う必要があります。 複数の地点や品種での結果を並べて表示させることもできるほか、過去の播種日を入力することで、以前の状況を振り返ることもできます。こうしたことを通じて、その品種を栽培するにはどの圃場がよいのか、あるいはその圃場に適した品種はなにか、を総合的に検討することもできます。


利用方法

 「北海道統一RM」が明らかであれば、どの品種でも適用できますが、メッシュ農業気象データを利用するための申請が必要となります。詳しくは酪農試験場のホームページにある以下のURLをご参照ください. https://www.hro.or.jp/list/agricultural/research/konsen/labo/sakumotsu/corntekikiyosoku.html


飼料用とうもろこし収穫予測システムの画像

お問い合わせ先

北海道立総合研究機構 農業研究本部 畜産試験場

飼料生産技術グループ

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