子牛の発育を客観的に把握することは、繁殖雌牛の改良や飼養管理改善を図る上で重要です。しかし、体重計を備える農場は限られており、子牛の体重を知ることは現実的に困難です。そこで、肉牛グループが蓄積してきた数千にも及ぶ体測データを用いて、胸囲の測定値から子牛のおおよその体重を推定できる体重推定式を考案し、胸囲-体重早見表を作成しました。胸囲の測定は、高価な器具を必要とせず（メジャー1本あればOK）、体長や体高ほど姿勢の影響を受けにくいため、比較的誰でも手軽に取り組みやすいと思います。

◆ 胸囲-体重早見表

牛舎の壁に貼るもよし、メジャーに印字するもよし、使いやすい形で活用してください。

黒毛和種子牛の胸囲-体重早見表（PDF版）

◆ 体重推定式の精度はどうなの？

フィールドで調査した子牛197頭のデータを推定式上にプロットしたのが下図です。推定値のまわりに実測体重がしっかりプロットされており、まずまずの精度であることを確認できました。また、推定値と実測体重との間には非常に高い相関がありました（相関係数0.99）。ただし、中には推定値から外れる牛もいますので、あくまでも推定体重であることは念頭に入れていただきたいです。

図. 胸囲から推定した体重推定値と実測体重との関係（n=197）