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酪農試験場天北支場

川崎場長 挨拶要旨

  川崎場長 挨拶要旨
    
  皆さん、こんにちは。天北農業試験場の川崎でございます。平成16年度天北酪農フォーラムの開催に当たり、一言ご挨拶申し上げます。

 平成12年より開催して参りましたこの酪農フォーラムも、今年で5年目を迎える訳ですが、時節柄何かとお忙しい中、また遠路の中、このように多数の皆様方にご出席頂きまして、誠に有り難うございます。当フォーラムの開催に当たりましては、共催と開催場所の設定にご配慮頂きました猿払村をはじめ、ご後援下さいました東宗谷農業協同組合、そして多くの関係機関の皆様のご協力により開催できましたことを、心より感謝申し上げます。

 さて、ご承知の通り、天北地域の酪農は、農家戸数の減少が進む中、1戸当たり飼養頭数の拡大と個体乳量の向上があって、猛暑やBSEの影響を除きますと、牛乳生産は増加の基調にあります。そういう中でさらに生産性を上げながら、一方では労働力の不足に対処するため、育成部門や飼料生産部門を、より高度な専門性を持つ外部の組織が受託するという、支援システムが注目されるようになっております。

 酪農の支援システムは、古くは公共牧場などあるいはヘルパー制度やコントラクターなどあるわけですが、最近では育成牛の預託やTMR飼料の購入で経営の分業化を図るという新しい動きが見られます。とくに、TMRセンター方式につきましては、本年7月現在で、隣の幌延町問寒別の事例を加えて、道内で8つのセンターが稼働しておりますし、この猿払村をはじめ、これから設立を計画しているところも多くあると聞いています。しかし、この支援組織に参加する農場は、これまでの酪農技術をシステムに合わせて転換しなければなりませんし、また新たに大きな投資も伴います。TMRセンターの設立・運営につきましても、決して楽なものではありません。

このようなことから、本日の酪農フォーラムは、「酪農経営の外部支援組織--TMRセンターの運営と今後の可能性--」をテーマに取り上げ、1番目には、道内で先駆的役割を果たし、家族経営の限界を破ったオコッペモデルとして知られてます「オコッペフードセンターサービス」の事例につきまして、興部町農業協同組合の田中営業課長さんにご講演頂きます。2番目には、同じく先進的な優良事例であります「デーリーサポート士別」の代表取締役の玉置社長に運営と今後の展開についてご講演頂きます。お二人には、大変お忙しい中、講師依頼を快くお引き受け下さいましたことに、厚くお礼申し上げる次第です。そして最後に、当場の三浦専門技術員に「北海道のTMRセンターの現状と課題」を整理して頂く予定になっております。

 是非、最後までご静聴頂き、大いにご討論下さいますよう、そしてこのフォーラムが酪農を核として将来の地域づくり、活性化に繋がるヒントなり指針を得ることができますようお願い申し上げ、開会の挨拶とさせて頂きます。